さる9月17日（金）から19日（日）の3日間、札幌コンベンションセンター・札幌市産業振興センター（北海道）において、第40回日本口腔インプラント学会・学術大会（松沢耕介大会長、川添堯彬理事長）が、国内外より3,000名以上の参加者を集め盛大に開催された。

　本大会は「信頼性ある口腔インプラント専門医」をメインテーマに、基調講演、特別講演、シンポジウム、各種セミナー、国際セッション、専門医／専門歯科技工士／専門歯科衛生士教育講座、課題口演、一般口演、リレー講演、テーブルクリニック、ポスター発表などが行われたほか、歯科技工士／歯科衛生士セッション、ランチョンセミナーなどが併催されるなど、幅広く充実した内容となった。以下では、メイン会場にて行われた講演、シンポジウムを中心に概要を記す。

　17日のワールドサテライトセミナー1では、Dr. Inaki Gamborena（スペイン開業）が「New trends to optimize aesthetic results on anterior single tooth implants」、専門医教育講座では、高森　等氏（日歯大教授）が「インプラント手術を安全・安心に行うための留意点」と題した講演を展開した。

　18日午前の特別講演1では、大久保満男氏（日本歯科医師会会長）が「食を支える歯科医療～その意味と意義～」と題した講演を行い、わが国における歯科医療の展望を述べた。続いては、川添理事長が「口腔インプラント専門医への信頼性はどこから得られるか」と題した基調講演を行った。また、特別講演2では、大野弘機氏（北海道医療大副学長）が「これで大丈夫？歯科生体材料のEBM‐歯科生体材料が抱える課題‐」と題した講演を行った。午後に行われたシンポジウム1「信頼できるインプラント専門医の条件 長期経過の予測と対応を知る」では、大塚　隆氏（神奈川県開業）、古谷野　潔氏（九大教授）、武田孝之氏（東京都開業）、松井孝道氏（宮崎県開業）、池邉一典氏（阪大講師）がそれぞれ示唆に富んだ講演を行った。

　19日は、メインホールにて歯科衛生士セッション、専門歯科衛生士教育講座、専門歯科衛生士セミナーが開催された。また別会場では、講演「臨床の疑問に答える」が行われ、佐藤裕二氏（昭和大教授）、萩原芳幸氏（日大准教授）、十河基文氏（阪大招聘教員）、室木俊美氏（石川県開業）、宮崎　隆氏（昭和大教授）、井上　孝氏（東歯大教授）が登壇した。また、若手インプラントロジストのためのワークショップでは、「上部構造の選択基準」をテーマに、田中憲一氏（福岡県開業）、和田誠大氏（阪大助教）、藤井秀朋氏（東京都勤務）、志村俊一氏（北海道開業）が登壇し、それぞれ講演を行った。

　なお、次回の第41回学術大会は、堀田康記次期大会長のもと、きたる2011年9月16日（金）～18日（日）、名古屋国際会議場にて開催される予定である。