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2010年9月18日

Amorphous特別講演会vol.2開催

約230名の若手歯科技工士が参集

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 さる9月19日(日)、大阪産業創造館(大阪府)において、歯科技工士スタディグループ「Amorphous」(村田彰弘代表、LAZARUS)による「特別講演会vol.2」が開催された。本会は近畿地方の若手歯科技工士を中心に230名が参集し、盛況をみせた。

 午前中は、まず、村田代表が登壇し、これまでの活動など、同会について紹介した後、「プレスセラミックスの有用性」というタイトルで講演を行った。氏は「よりやさしく、より美しく、より硬く、より早く」という自身のコンセプトを体現できるマテリアルとしてプレスセラミックスを挙げ、同材料の利点・欠点を解説した。つぎに登壇した谷本一道氏(西村歯科医院金剛診療所)は、「Complex cases of implant restoration~さまざまな欠損状態におけるインプラント修復~」と題して講演を行った。氏は、インプラント治療を成功させるために、院内ラボの利点を生かして、治療計画の段階から歯科医師とディスカッションしていると述べ、そのアプローチを紹介した。午前中最後の登壇となった村田智昭氏(DENTAL ART STYLE)は、「My Clinical standard」と題して講演を行った。タイトル通り、自身が日々の臨床で気を付けていることを丁寧に解説した。

 午後の講演は、瓜坂達也氏(Lucent Dental Laboratory)と都築優治氏(Ray Dental Labor)による共同講演「VISION~技~」から始まった。本講演の中で、両氏は反対側などからキャラクターなどをコピーするリプロダクト(再建)と、患者の要望を反映させたクリエイトという2つのアプローチを紹介したうえで、「アプローチは異なっても、根底にある「技」は普遍的である」と述べた。つぎに、同会の顧問である藤尾 明氏(本多歯科医院)が「歯科技工における治療咬合の要件」という演題で講演を行った。藤尾氏は、治療咬合の目的の1つとして、健康維持(Longevity)を挙げ、それを達成させるためには、炎症と力のコントロールが重要であるとした。さらに、力のコントロールを達成させるためには、「歯列弓の保全と咬頭嵌合位の安定が必要だ」と解説した。最後に登壇した中村 心氏(スマイリスト)は、「天然歯牙形態に学ぶ歯冠修復物」と題した講演を行った。中村氏は、歯型彫刻の重要性を述べつつ、天然歯牙を表すポイントとして、適正な幅径、マージンの調和、対合関係の3点を挙げ、それらを達成させるためのポイントを解説した。

 会場には若い歯科技工士が多く、それぞれの演者が発表する機能的・審美的な症例に見入っていた。若い歯科技工士にとっては、非常に参考になり、そして、刺激になった講演会になったのではないだろうか。