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2008年8月24日

「QDT購読キャンペーン講演会 いまさら聞けない補綴治療」(第4回・松山会場)開催

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 さる8月24日(日)、松山市総合コミュニティセンター(愛媛県)において「QDT購読キャンペーン講演会 いまさら聞けない補綴治療」(第4回・松山会場)が開催された(クインテッセンス出版主催)。本講演会は既報のとおり、「補綴雑誌」である「QDT」をより多くの若手歯科医師に周知する目的で開催されたもの。会場には多数の参加者がつめかけ、盛況となった。以下に、各演題の概略を示す。

(1)「補綴治療の基礎を学ぶことの重要性」(清水誠治氏、愛媛県開業)
 本講演で清水氏は、大学の医局時代から開業後の現在に至るまでの「学びの歴史」を披露。なかでも「師匠を選ぶことが重要」とし、岡 増一郎氏(九大歯学部名誉教授)や山崎長郎氏(東京都開業)との出会いについて述べた。そのうえで若手歯科医師に向け、(1)日々の臨床を検証し、自分の治療の長所・短所を精査すること、(2)書籍やDVDなどを通じ、知識の蓄積につとめること、(3)師匠を求め、信じ、邁進していくこと、の3点が重要であるとした。

(2)「実践! 若手歯科医師のための歯冠修復マニュアル まずはここから 特別編:いまさら人に聞けない咬合採得・咬合調整」(萩原芳幸氏、日大歯学部歯科補綴学教室3講座准教授)
 本講演で萩原氏は、日々教壇に立つ立場から「研修医をみていると、基本的な手技が習得できていない」とまず述べたうえで、咬合器を使う理由、フェイスボウトランスファーの重要性、治療に用いる顎位、咬合採得材料、そして咬合調整の目的や手技などについて詳説した。

(3)「失敗症例に学ぶ天然歯修復」(小濱忠一氏、福島県開業)
 本講演で小濱氏はまず、卒後4年目に手がけたフルマウスリコンストラクションの22年経過時を提示し、「若いころにはただうまく形成することしか考えていなかった」「口腔内全体の状況を考えることができなかった」などと当時を回顧。さらに、現在の技術で治療した症例と10年前の技術で治療した症例を比較・検討し、ひとりの術者でも治療する時期によって結果が異なってくることを示したうえで、若手へのエールとした。その後、ガイドラインにもとづいた症例の分析や支台歯形成の手技、そしてプロビジョナルレストレーションの調整法や印象採得における注意点など、多数の症例を交えながらわかりやすく解説した。

(4)「失敗症例に学ぶインプラント修復」(小濱忠一氏、福島県開業)
 本講演で小濱氏は、「よい材料を使っていても失敗するのはなぜか?」という命題を投げかけたうえで、インプラント修復における失敗の原因、そして成功させるためのポイントを多数示した。インプラント-インプラント間は3mm以上離す必要性があることを歯科技工士と共有できているか? インプラント埋入用ドリルの性質を知ったうえで使いこなせているか? インプラントと天然歯の被圧変位量を意識しているか? 臼歯部の上部構造で、舌側非機能側咬頭がチッピングを起こしやすいのはなぜか? 瘢痕を残さないための切開法はどうするのか? など、臨床に根ざした疑問と解決策に参加者は引き込まれていた。

 なお、本講演会は本年10月に札幌で、11月に新潟で、そして2009年には名古屋、仙台、金沢(順不同)でひきつづき開催される予定となっている。