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2011年1月29日

日本有病者歯科医療学会第1回学術セミナー開催

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 さる1月29日(土)、東京グランドホテル(東京都)において、一般社団法人日本有病者歯科医療学会(白川正順理事長)第1回学術セミナーが「歯科医が知っておきたい有病者の薬の話」がテーマのもと、開催された。本セミナーは学会の認定医制度の導入にともない、有病者の全身管理とともに国民の信頼を受ける安全な歯科医療を提供できる認定医の育成のために企画されたもの。会場では、医師、歯科医師の両方の立場からの講演が行われた。

 午前の部で登壇した飯島 睦氏(東京女子医科大神経内科)は「脳神経治療薬/神経疾患患者が来院した場合の対応」と題し、脳卒中、てんかん、筋ジストロフィー、パーキンソン病の患者を診察する際の留意点を紹介した。とくにラクナ梗塞・アテローム血栓性脳梗塞患者は抗血小板薬を、心原性塞栓症の患者は抗凝固薬を再発予防薬として服用しているが、歯科治療の際にこれらの薬を中断せずに治療することが重要と強調された。井川雅子氏(静岡市立清水病院口腔外科)は「口腔顎顔面通治療薬/口腔内特発性疼痛のとらえ方と治療法」と題し、TMDからの鑑別と特発性(原因不明)疼痛の概念を紹介し、薬物療法(主に三環系抗うつ剤)を具体的に解説された。

 午後の分で登壇した矢郷 香氏(慶應義塾大医学部歯科・口腔外科)は、「抗血栓薬/抗血栓薬服用患者の歯科小手術時の管理について」として、脳梗塞などの合併症を起こさないために抗血栓薬継続下での歯科小手術を行うことを症例を交えて解説した。王 宝禮氏(大歯大歯科医学教育開発室)は「抗菌薬/口腔バイオフィルも感染症への抗菌薬療法:光と影」、岩本 潤氏(慶應義塾大医学部スポーツ医学総合センター)は「ビスフォスフォネート治療と顎骨壊死/処方医の立場から」、古川佳子氏(国際医療福祉大三田病院心臓病センター)は「循環器疾患治療薬/高血圧症、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、不整脈の患者が来院した場合」と講演が続き、日常診療に直結する講演だけに参加者はメモを取りながら熱心に勉強されていた。