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2011年2月20日

東京歯科大学同窓会フォーラム2011開催

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 さる2月20日(日)、東京歯科大学水道橋校舎(東京都)において、東京歯科大学同窓会フォーラム2011(大山萬夫会長)が「国民に最良の歯科医療を提供するために~日本人の健康観と日本型歯科医療制度を探る~」をテーマに開催された。

 まず午前は、小林 顕氏(東京都開業)による「日本型歯科医療制度の模索」の講演が行われた。つぎに、波平恵美子氏(お茶の水女子大名誉教授)による特別講演「日本人の健康観と保健行動に見る身体観」が行われた。氏の専門である人類学の観点から人類と歯とのかかわりについて述べるとともに、日本人の健康観の形成過程について歴史を紐解きながら解説がなされた。

 つづいて、中川勝洋氏(東京都開業)による講演「日本型歯科医療制度の問題点」が行われた。諸外国の医療制度を例に挙げながら、日本の歯科医療制度の問題点について言及。歯科医師需給問題や臨床研修、教育制度などについて提言が行われた。

 午後は、大久保満男氏(日本歯科医師会会長)による講演「明日の歯科医療を目指して~国民皆保険制度下の歯科医療~」が行われた。2030~50年には高齢者の歯科医療がますます重要になり、在宅医療が中心になるだろうとしたうえで、歯科が取り残されないように内部で議論を行って専門家の意見をきちんと国に伝えていくべきだとした。

 つづいて石井拓男氏(東歯大教授)による講演「医療連携・チーム医療が推進される今、歯科衛生士の業務を考える」が行われ、歯科衛生士の業務範囲について解説。歯科衛生士の活躍の場が増えるなか、歯科医療従事者として歯科医師法や歯科衛生士法などの法律についてもっとよく知る必要があるとした。

 最後に、5名の演者が登壇し、本フォーラムと同題のテーマでディスカッションが行われた。健康寿命と平均寿命との間に約10年の開きがあるなか、たとえ要介護状態になったとしても、その人なりの健康や価値観を尊重し、歯科がサポートしていくことが重要であるとした。