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2011年2月20日

日本臨床歯周病学会関東支部、歯科衛生士セミナーを開催

「天然歯とインプラントの平和的共存」をテーマに山口幸子氏、寺西邦彦氏が講演

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 さる2月20日(日)、東京医科歯科大学において、「日本臨床歯周病学会関東支部主催 第11回関東支部歯科衛生士セミナー」が開催された。本セミナーは、同支部(若林健史支部長)において発足した歯科衛生士部会(以後、コ・デンタルスタッフ委員会に改称)が2007年から行ってきた研修会の一環であり、現執行部最後のセミナーとなった。

 午前中の会員発表は、高橋優子氏(吉野歯科診療所歯周病インプラントセンター)によるAggregatibacter actinomycetemcomitansとPorphyromonas gingivalisの混合感染を伴う重度広汎型侵襲性歯周炎に対する歯科衛生士としての対応とは」、廣瀬絵美氏(いいの歯科)による「中等度広汎型慢性歯周炎の一症例」、氏家三和氏(若林歯科医院)による「歯周基本治療時のモチベーション維持の難しさについて」、羽賀通子氏(ともこデンタルクリニック)による「メインテナンス中、薬剤により口腔乾燥症になった1症例」の4題が発表された。どの講演も、歯周基本治療からメインテナンス中の歯科衛生士の関わりを重点的に発表したもので、会場からは臨床的なヒントを求める質問が多数寄せられた。

 午後の特別講演「インプラントと天然歯の平和的共存」では、ともに寺西歯科医院にて治療・メインテナンスを行っている山口幸子氏(寺西歯科)と寺西邦彦氏(東京都開業)による臨床的な講演となった。山口氏は、天然歯とインプラントが一口腔内に共存している症例が増えてきている現状から、天然歯・インプラント両者についてより深い理解が必要とし、メインテナンス時の注意点を寺西歯科医院での症例をもとに解説した。寺西氏は、25年間にわたる氏のインプラント臨床を振り返りながら、システムやコンセプトがどのように変化してきたかを解説した。また、寺西歯科医院で実践されているインプラント周囲炎への対応法について解説された。

 その後のディスカッションでは、インプラント周囲組織の診査方法に関する質問が多数寄せられ、「個々の症例・状況によって適宜手法を考える」、「口腔内のみならずガム模型なども資料として写真に残しておく」、「歯科医師―歯科衛生士―歯科技工士間のコミュニケーションが重要」といったアドバイスが両氏からなされた。