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2011年3月6日

SJCD 30周年記念講演会開催

歯科界のトップランナーたちが熱弁

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 さる3月6日(日)、都市センターホテル(東京都)において、SJCD 30周年記念講演会(山崎長郎会長)が「Make a voyage to our future 果てしなき未来へ」をテーマに、全国から会員約600名を集め盛大に開かれた。

 SJCD(Society of Japan Clinical Dentistry)は、1970年代後半より故レイモンドキム氏(SJCDインターナショナル名誉顧問)のもとでアメリカ西海岸の先進歯科技術を習得しようと新進気鋭の若手歯科医師たちが集い、立ち上げられたスタディーグループ。今年でその創設から30年。現在では全国に12の支部を抱え、会員は1,600名以上と日本最大規模を誇る。本会は、30周年の区切りにあたり、現在世界で注目されているトップデンティストを招聘し、今一度グローバルな視点から日本の歯科医療を見つめ直そうと企画されたものである。

 まず、SJCDインターナショナル副会長で大阪SJCD最高顧問である本多正明氏(大阪府開業)の「「Longevity」から近未来の補綴治療を考察」が行われ、「Longevity」の観点から、特に機能回復に重要な咬頭嵌合位の安定と補綴治療再介入についての問題を提起した。

 つぎにAlessandro Devigus氏(The University FreiburおよびThe University Basel、European Journal of Esthetic Dentistry編集責任者)が、「Multilayered ceramics in CAD CAM Dentistry」との演題にて、CAD/CAMシステムを用いたご自身の症例のワークフローと修復の審美結果における重層セラミックの有用性について詳しく説明した。

 ついでInaki Gamborena氏(スペイン・サンセバスチャン開業)が「Esthetic fine tuning in the complex implant case.」と題する講演で、インプラント周囲における予知性の高い自然な口腔内審美を獲得するための新しいコンセプトとトレンドについて話し、質疑応答も大いに盛り上がった。

 アメリカのGreggory A. Kinzer氏(アメリカ・シアトル開業)は「Managing Esthetic Dilemmas」のタイトルで、両立が難しい機能と審美の間におこるジレンマを抱えている患者に対し、インターディシプリナリートリートメントの見地から再評価を下す必要がある、と論じた。

 最後に、山崎氏が「Interdisciplinary management of Complex Implant Treatment」との演題で、ガイデッドサージェリーシステムを用いた外科とインプラント補綴に関する最新のコンセプトについて説明し、また優れた審美的結果を得るための重要なポイントにも言及した。

 なお、前日の3月5日(土)には、同会場において「東京SJCD3回例会」が行われ、茂野啓示氏(東京SJCD顧問)、土屋 覚氏(東京SJCD会員、DENT CRAFT STUDIO)、小濱忠一氏(東京SJCD顧問)、寺西邦彦氏(東京SJCD顧問)、土屋和子氏(東京SJCD会員、フリーランス)、日高豊彦氏(東京SJCD副会長)、鈴木真名氏(東京SJCD会長)が、一口腔を総合的に捉えたSJCDの治療コンセプトを基に、診査・診断・治療計画の重要性、さらには30年の集大成としての長期症例を提示することで、本治療コンセプトの正当性を明らかにした。

 本グループは、今後も一貫してこの治療コンセプトを持ち続け、グローバルスタンダードを基準に会を運営していくものと思われる。