2011年3月5日掲載

「口腔管理(口腔ケア)とインフルエンザ対策」をテーマに

<font color='green'><b>日歯、公開シンポジウムを開催</b></font>

<font color='green'><b>日歯、公開シンポジウムを開催</b></font>
 さる3月5日(土)、歯科医師会館において、日本歯科医師会公開シンポジウム「口腔管理(口腔ケア)とインフルエンザ対策」が開催された。本シンポジウムでは、2009年における新型インフルエンザの世界的流行を機に、日本歯科医師会および日本歯科総合研究機構により立ち上げられた『インフルエンザウイルスと口腔内細菌の関係』『口腔ケア等によるインフルエンザ予防効果』などの研究を行うプロジェクトの研究結果と過去の知見が発表された。  開会後、まずは田代眞人氏(国立感染症研究所インフルエンザ研究センター長)による特別講演「新型インフルエンザ流行と我が国の対策」において、2009年における新型インフルエンザの世界的流行および、その際にとられた我が国の対策の再検証が行われた。  続いて指定講演の4題、「インフルエンザウイルス感染を活性化する宿主プロテアーゼと感染重症化の機序」(木戸 博氏、徳島大疾患酵素学研究センター)、「慢性呼吸器疾患の増悪と感染症」(橋本 修氏、日大医学部呼吸器内科学)、「口腔ケアがインフルエンザ感染に与える影響」(石原和幸氏、東歯大微生物学講座)、「うがいによる風邪の予防」(川村 孝氏、京大保健管理センター)が行われた。  つぎに研究発表の3題、「高齢者の口腔内環境と呼吸器感染症の関連」(菊谷 武氏、日歯大口腔介護・リハビリテーションセンター)、「インフルエンザによる口腔内微生物叢の変化と口腔ケア」(花田信弘氏、鶴見大歯学部)、「インフルエンザウイルスと細菌の相互作用」(清水一史氏、日大医学部)が行われた。  基礎・疫学研究、そして医科・歯科各分野からの研究発表が行われ、口腔ケアがインフルエンザ感染に何らかの影響を与える可能性が示唆された。最後に行われた総合討論では今後の研究の進展への期待が確認され、閉会となった。

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