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2008年7月17日

日歯、定例会見を開催

依然として厳しい歯科医院経営―医療経済実態調査より

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 さる7月17日(木)、新歯科医師会館にて日本歯科医師会(以下、日歯、大久保満男会長)による定例記者会見が開催された。
 冒頭、大久保会長は「2008年骨太の方針から社会保障費2,200億円削減を撤廃していただくように取り組んできたが、実現しなかったことはきわめて残念である。しかし、来る7月24日(木)に国民集会『地域医療崩壊阻止のための国民運動』(国民医療推進協議会主催)が開催されるので、その場で再度アピールしたい」と挨拶した。
 引き続き、右田信行常務理事より、さる7月9日付けで日歯厚生委員会(佐々木俊則委員長)から提出された「改正保険業法・公益法人制度改革にともなう日歯福祉共済制度の今後の方向性について」の中間答申書について報告がなされた。日歯福祉共済制度は、平成18年4月から施行された保険業法改正、同年5月に成立した公益法人制度改革関連法によって、平成20年12月からの5年の間に公益法人および一般社団法人に移行した時点から、保険業法の適用を受け自主運営ができなくなる。
 右田常務理事は「日歯としては、(1)協同組合を設立(2)他の保険会社に委託、の2点が現状の福祉共済制度を維持するための現時点での選択肢である」と述べ、保険業法の適用除外の可能性は難しいとしながらも比較検討を続けていき、今後の制度移行先について対応していくとした。
 その後、渡辺三雄常務理事が、このたび厚労省より発表された平成19年6月実施の医療経済実態調査について、依然として厳しい経営が続いていることを、結果をもとに説明した。同調査では、歯科診療所の平均収支差額は、1施設当たり(個人、平均ユニット3台)で約122万9千円と前回の約135万1千円にくらべて減少し、とくに過去4回の調査を見ても保険診療収入は毎回減少している。今回示された、歯科診療所の収支差額階級別施設数では、50万円以上100万円未満が180施設(個人158、その他22)でいちばん多いものとなっている。
 今回の収支差額について大久保会長は、恒石美登里氏(日本歯科総合研究機構研究員)が作成した収支差額の表をもとに、平均値について言及し、「平成8年は収支差額が中央値と平均値が正規分布しているが、平成18年度は中央値と平均値が正規分布していないため、中央値を参考にしなければ実態に即した数値にならない。したがって、今回の結果を恒石研究員に再度、表を作成していただいたうえで、場合によっては中医協に対して中央値での実態調査を要求していかなければならない」と述べた。