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2011年9月23日

第6回日本歯科衛生学会学術大会開催

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 さる9月23日(金)から25日(日)の3日間、朱鷺メッセ(新潟県)において、第6回日本歯科衛生学会学術大会(三富純子大会長、武井典子学会長)が、「健口文化の創造―歯科衛生からのアプローチ―」をメインテーマに盛大に開催され、会場には約1,400名が参集した。初日のワークショップ4題のほか、2日目・3日目には教育講演および特別講演各1題、シンポジウム、パネルディスカッション、市民フォーラム、口演発表、ポスター発表などのさまざまな催しが行われた。

 このうち、2日目の宮崎秀夫氏(新潟大大学院教授)による教育講演「口腔の健康と全身の健康―新潟高齢者の調査結果から―」では、1998~2008年の10年間にわたって新潟県の高齢者の健康状態を追跡調査した結果に触れ、口腔疾患や咀嚼機能の悪化が栄養状態の悪化につながり、それがまた口腔に影響を及ぼす悪循環を指摘、口腔と全身の健康との関係を明らかにした。

 また、3日目午前のシンポジウム「介護予防力を支える口腔機能の向上」では、日野原友佳子氏(厚生労働省老健局)による講演「介護予防の今後の展開に向けて」のほか、訪問口腔ケアセンター設置により市町村への窓口ができ、スムーズな連携が可能となった報告「上越歯科医師会訪問口腔ケアセンターと地域との連携」(山口敦子氏、新潟県歯科衛生士会副会長)や、事業所における口腔ケアのニーズを調査し、マンパワー不足の現状が浮き彫りとなった「歯科衛生士会と施設との連携」(久保山裕子氏、日本歯科衛生士会副会長)などの講演が行われた。午後のパネルディスカッション「大規模災害、今、歯科衛生士にできること」では、佐藤 保氏(日本歯科医師会常務理事)による特別講演「東日本大震災の現状の課題」の後に、1995年の阪神淡路大震災、2005年の福岡西方沖地震、2007年の能登半島沖地震および新潟県中越沖地震、そして2011年の東日本大震災での歯科的支援の内容が歯科衛生士5氏により報告された。限られた物資・時間のなかで、マニュアルを過信せず臨機応変に対応することの重要性が強調された。

 3日間をとおして、「歯科衛生士が口腔を守ることは、健康長寿を支えることである」というメッセージが発信された大会となった。