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2011年11月25日

財団法人口腔保健協会、創立70周年記念講演会を開催

「高齢者の口腔保健・医療・福祉」をテーマに

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 さる11月25日(金)、シェーンバッハ・サボー(東京都)において、財団法人口腔保健協会創立70周年記念講演会(岡田昭五郎理事長)が開催され、多数の歯科関係者が参集した。

 冒頭、挨拶に立った岡田昭五郎理事長(医歯大名誉教授)は、同協会が設立された1941年から現在までを振り返りながら、さる8月に制定されたいわゆる「歯科口腔保健法」など歯科医療の変遷について触れ、その後に登壇する講師陣の講演内容に期待を寄せた。

 引き続き、伊藤公一氏(日大歯学部歯周病学講座教授)の座長のもと、まず伊藤氏による講演「歯周病と健康―元気高齢者となるために―」が行われた。伊藤氏は、生涯を通じた健康づくりに必要なかかりつけ歯科医による歯周病管理の必要性を強調した。その後、植田耕一郎氏(日大歯学部摂食機能療法学講座教授)が「健康長寿を目指した口腔ケアの理念と手法」と題して登壇。植田氏は健康長寿を達成するための多職種とのチームアプローチの重要性を説きながら、歯科医療従事者が実施する口腔ケアや摂食機能訓練の展開について述べた。米山武義氏(静岡県開業)ならびに杉山聡子氏(米山歯科クリニック)による「今まさに時代が求めている専門的口腔ケアとその展開」では、地域の現場で専門的口腔ケアを実践する両氏の取り組みが映像とともに紹介された。内藤真理子氏(名古屋大大学院医学系研究科予防医学准教授)による「歯科治療とADL・QOL」では、内藤氏が口腔状態と全身の健康の関連について疫学研究の概要を披露した。北原 稔氏(神奈川県厚木保健福祉事務所保健福祉部長)による「地域の保健福祉活動の現状と未来―口から発信する保健と福祉の連携強化―」では、医療者が疾病や障害だけを見がちであることを指摘。今後は、地域で全人間的に支援する「顔の見える」といった多職種連携を強化していくべきと述べた。

 講演会終了後には、同会場にて記念祝賀会が催され、同協会は多数の歯科学会の事務代行業務を担当していることもあり、会場には主要学会の会長の姿が見られた。