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2008年6月29日

茂久田商会、研修会「なぜ審美歯科に長期予後がでてこないか?」開催

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 さる6月29日(日)、モクダ歯科研修センター(兵庫県)にて研修会「なぜ審美歯科に長期症例がでてこないか?」が開催された(茂久田商会主催、茂久田 修三代表、以下、茂久田社)。本セミナーは、1998年に上記センターを開設した茂久田社が「神戸に著名な臨床家を招き、近隣の歯科医師の研鑽に役立ちたい」との趣旨からさまざまな演者を招いて開催している研修会の一環。会場には定員を大きく超える110名の歯科医師・歯科技工士が参集し、盛況となっていた。
 席上では、まず行田克則氏(東京都開業)が登壇。標記タイトルに加え、「なぜ辺縁歯肉は退縮するのか?」という副題のもとに講演した。行田氏はこのなかで、さまざまな文献を引用しながら「上皮性付着の範囲内にマージンを設定し、縁下にレスカントゥアを与えることは、(1)歯冠形態の付与、(2)二次う蝕の予防、(3)歯肉厚さの確保、の3点に有用である」「現在、臨床現場で測定されているポケット深さは、プローブを使用するという関係から上皮性付着の半分程度の深さを含んだものであり、純粋に生理的歯肉溝の深さを測定しているとはいえない」「補綴処置に移行する前のルートプレーニングは歯石のみを選択的に除去するために超音波スケーラーのみで行う。なぜなら、ルートプレーニングによって歯根膜までも除去してしまうことは歯周組織の喪失につながるためである」などと述べ、歯周組織に配慮した支台歯形成と補綴物形態によってその厚みを確保し、歯肉の退縮を避けることが審美歯科治療の長期にわたる安定性に結びつく旨を述べた。また同時に、自らの長期症例についてもさまざまな角度から供覧・分析し、参加者の興味をひいていた。
 また、席上では行田氏と共同で臨床に取り組んでいる歯科技工士の小田中康裕氏、および、行田氏の歯科医院に勤務する歯科医師の松山智子氏もあいついで登壇。それぞれ、「エマージェンスプロファイル」「歯肉縁下の印象採得」と題し、行田氏の臨床の裏づけとなるテクニックについて詳説していた。