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2014年9月20日

日本歯科技工学会第36回学術大会開催

「匠とサイエンス」を大会テーマに

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 さる9月20日(土)、21日(日)の両日、北海道大学学術交流会館(北海道)において、「日本歯科技工学会第36回学術大会」(横山敦郎大会長、奥村厚史準備委員長、杉岡範明実行委員長)が「匠とサイエンス」を大会テーマに開催された。第36回目を数える今大会では、基調講演・企画セミナー・認定士講習会・特別講演をはじめ、テーブルクリニック5題、デモンストレーション5題、そして多数のポスター発表や企業展示、さらにテクニカルコンテストが行われるなど盛況となり、多数の参加者でにぎわった。

 1日目は、認定士講習会として「歯科口腔保健研究のデザインと研究計画書の書き方」(三浦宏子氏、国立保健医療科学院国際協力研究部)、基調講演として「匠とサイエンス」(横山大会長、北大大学院歯学研究科口腔機能学講座口腔機能補綴学教室)、特別講演として「インプラント治療における補綴装置の重要性」(越智守生氏、北海道医療大歯学部口腔機能修復・再建学系クラウンブリッジ・インプラント補綴学分野)、そして教育講演として「ものづくりを支える工学技術と技能教育」(東藤正浩氏、北大大学院工学研究院人間機械システムデザイン部門バイオ・ロボティクス分野)をはじめ、4題のテーブルクリニックと3題のデモンストレーションなどが行われた。

 また2日目は、企画シンポジウム1として「The Technique within reason」(松平 浩氏、コンプリートプロテーゼ)と「デジタルデンタルテクノロジーを活かしたインプラント技工」(辻 貴裕氏、デンタルバイオビジョン)の2題が並び、前者ではコバルトクロム合金の物性とその使いこなし、および歯科技工における解剖学の重要性が示され、また後者ではCAD/CAMやコンピュータを用いたインプラント埋入シミュレーションを歯科医師とともに活用する現代のインプラント技工のありかたが示された。また、企画シンポジウム2も同日午後に行われ、ここでは「複数のCAD/CAM装置の連携とジルコニアの材料学的留意点」(垂水良悦氏、札幌デンタルラボラトリー)、「CAD/CAM装置を使用した各種マテリアルと審美補綴」(須山容明氏、歯の工房)、「作業時間短縮と審美と機能 ―デジタルとアナログの融合を目指して―」(吉澤琢真氏、ティー・エー・シー デントフィールド)の3題が並び、いずれも北海道内の気鋭歯科技工士がCAD/CAM抜きに考えられない昨今の歯科技工事情を示した。昨今では規模の大きい歯科技工所では複数メーカーのCAD/CAM装置が導入されるようになってきており、その使いこなしについても示された。

 なお初日の会場では、恒例となった歯科技工学校の学生によるテクニカルコンテストも開催され、上顎右側第一大臼歯を課題にカービングの技術を競った。受賞者3名を以下に示す。
1)石膏部門 金賞:小川真輝氏(東洋医療専門学校)
2)石膏部門 銀賞:坂本紳一郎氏(新東京歯科技工士専門学校)
3)ワックス部門 金賞:鈴木恵太氏(名古屋歯科医療専門学校)