Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2014年10月19日

第57回秋季日本歯周病学会学術大会開催

「歯周病学 温故知新」をテーマに

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる10月19日(日)、神戸国際展示場(兵庫県)にて、第57回秋季日本歯周病学会学術大会(和泉雄一大会長、永田俊彦理事長)が「歯周病学 温故知新」をテーマに開催され、歯科医師、歯科衛生士ら約3,100名が参加し盛会となった。

 秋季学術大会は第51回大会より1日のみの開催となっていたが、次回からはまた2日間の開催となる。1日のみの開催として最後となった今大会では、特別講演、シンポジウム、認定医・専門医教育講演、歯科衛生士教育講演、ポスター発表、ランチョンセミナーなど多数のプログラムが組まれた。

 なかでも、シンポジウム1「歯周治療 温故知新」では、吉江弘正氏(新潟大教授)の座長のもと、二階堂雅彦氏、弘岡秀明氏、松井徳雄氏(いずれも東京都開業)が講演し、エビデンスと経験に基づいた歯周治療の実際を症例とともに解説した。講演後には、座長の吉江氏がシンポジストに対し、「SRP後、臼歯部に2~3壁性で4mmの垂直性骨欠損があり、プロービングデプスが6~7mmの場合、どんな治療を行ってもよいと言われたらどうするか?」と質問を投げかけ、3氏が治療方針を回答するなど、有意義なディスカッションが行われた。

 特別講演2では、古市保志氏(北海道医療大教授)の座長のもと、Dr.Panos N.Papapanou(米国コロンビア大教授)が「Exploring a pathobiology-based classification of periodontitis」と題して講演。従来の慢性歯周炎(chronic periodontitis:CP)と侵襲性歯周炎(aggressive periodontitis:AgP)の分類ではなく、両者の分子生物学的な背景を分析して新たな分類を提示しようとしている氏の取り組みが紹介された。

 認定医・専門医教育講演では、坂上竜資氏(福歯大教授)の座長のもと、川崎 仁氏(東京都開業)が「歯槽骨の再生はどのようにしたら起こるのか―新付着を獲得するためには」と題して登壇。「ペリオ100年の歩み」として世界と日本における歯周病学の発展の歴史を示した年表の提示や、エックス線規格撮影による長期症例の評価など、示唆に富んだ講演がなされた。

 なお、次回の第58回春季学術大会は、2015年5月15日(金)、16日(土)の両日、幕張メッセ(千葉県)にて沼部幸博大会長のもと「有病率8割に対する挑戦!」をテーマに開催予定。