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2015年5月17日

日本臨床歯周病学会関東支部 歯科医師・歯科衛生士合同セミナー開催

「守りと攻めの歯周治療」をテーマに

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 さる5月17日(日)、一橋講堂(東京都)にて「日本臨床歯周病学会関東支部 歯科医師・歯科衛生士合同セミナー」(飯野文彦支部長、二階堂雅彦理事長)が開催され、約450名が参集した。

 まず、今年から日本臨床歯周病学会新理事長に就任した二階堂雅彦氏(東京都開業)から、同会の今後の取り組みについて説明されたのに続き、「私の考える歯周治療―歯周病で歯を失う人を1人でも減らすために」と題して講演が行われた。二階堂氏は国内外の論文を複数示しながら、「患者さんがプロによる指導を受け、適したプラークコントロールを日々に取り入れても、急速に重篤な症状を示す侵襲性歯周炎の患者さんは一定数存在する。国民に認知されるようになった「国民の80%が歯周病」の次の段階としてわれわれが取り組むべきは、侵襲性歯周炎の周知と早期発見・早期治療」とした。またこの取り組みのためには、治療者による病因論の理解が必要であるとした。他に、再生療法についてもより安全で的確な使用法を提案した。

 また午後からは谷口威夫氏(長野県開業)と山岸貴美恵氏(歯科衛生士・谷口歯科医院)が、同院で取り組む歯周基本治療について講演した。谷口氏は「歯周ポケット6mm以上の歯周病を基本治療で治す」、山岸氏は「医院の総合力で歯周治療を成功させよう!」と題された講演であったが、6mm以上に深くなった歯周ポケットを、歯科衛生士による基本治療にて改善し、骨の戻りを呼び、歯を保存するという同院の治療を、症例中心に詳解した。山岸氏からは、プラークコントロールのみではなく、歯肉の状態をどのように読み、ルートプレーニングを行っていったかが症例に沿って語られた。またこうした治療は一部の熟練した歯科衛生士が行うのではなく、医院全体がチームとして治療にあたるために、スタッフの歯科衛生士の皆が身に着けるべき技能とした。