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2015年6月27日

第12回日本口腔ケア学会総会・学術大会開催

シームレスな連携の取り組み、学会初の歯科衛生士ワークショップなど現場の実態を反映した企画で盛会に

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 さる6月27日(土)、28日(日)の両日、海峡メッセ下関(山口県)において、第12回日本口腔ケア学会総会・学術大会(上山吉哉学会長、鈴木俊夫理事長)が開催され、約1,400名が参集し、盛会となった。本学会では2日間にわたり、シンポジウム、特別講演、コンセンサスカンファレンス、招聘講演、教育講演、一般口演、カレントトピックス、ランチョンセミナー、ポスターセッションなど多彩なプログラムが行われた。

 周術期口腔機能管理など、病院内で多職種によるチーム医療を実践しているケースは増えてきているが、患者が退院したあと、歯科を含め、それまで院内で口腔管理にかかわっていた専門職種が切れ目なく地域で介入し続ける連携はなかなか難しい。その数少ない実践例が紹介されていたのが、2日目に行われたシンポジウム2「こうすれば失敗する医科歯科連携」(コーディネーター:舘村 卓氏、一般社団法人TOUCH代表)であった。当日は講師4名が招聘され、前半の山原幹正氏(大分県開業)と衛藤恵美氏(歯科衛生士・社会医療法人敬和会 大分東部病院 リハビリテーション部)は地元・大分県大鶴歯科医師会と病院との医科歯科連携、後半の岩田久義氏(言語聴覚士・社会福祉法人こうほうえん 錦海リハビリテーション病院)と足立 融氏(鳥取県開業)は病院内の言語聴覚士と歯科衛生士を中心に広がった医科歯科連携をふまえ、入院時から退院後にかけての患者に対するかかわりをそれぞれ紹介した。

 また、本学会内に歯科衛生士部会が発足したことを受けて、今回初めて歯科衛生士ワークショップが企画された。病院で勤務する歯科衛生士約40名が集い、ベテラン歯科衛生士を中心に、5つのグループに分けられた。テーブルごとに、各病院で実施する周術期口腔機能管理の問題点を共有し、その解決策について話し合われた。会の冒頭でも紹介されていたように、全国にいる歯科衛生士のうち病院勤務は1割に満たないということで、普段同じような現場で働く同士との情報交換はなかなかできない。そういう意味もあって、今回のワークショップは参加者にとって非常に貴重な機会になっていた。