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2010年6月27日

日本矯正歯科協会第9回学術大会開催

歯内療法専門医・寺内氏の講演と2題の市民公開講座

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 さる6月27日(日)、アルカディア市ヶ谷(東京都)において、日本矯正歯科協会第9回学術大会(原 省司大会長、深町博臣会長)が開催された。本協会は過去の大会においても、一貫して歯科矯正臨床の質を高めるための方策を求めて、さまざまな角度からインターディシプリナリーを取り上げてきており、本学術大会では、テーマに「連携歯科医療の実際―歯内療法専門医との連携を探る」を掲げ、午前には歯内療法専門医の寺内吉継氏(東京都開業)を招聘し、「最新アッパーエンドのエンドを知る~保存か抜歯の選択基準は?」と題する講演が行われた。

 寺内氏は、医療経済の話から臨床の一手技まで、日本における専門医制の確立について熱弁をふるった。先進国のなかでも、わが国のGDPにおける医療費の割合は最低で、一般開業医として保険診療を中心に医療を展開していくことの限界を力説。医療の質の向上と医療経済の発展のために、あえて歯内療法専門医として今後も牽引していく意向を語った。この考えは、自由診療が大半の参加者(矯正専門医)にもインターディシプリナリーの枠組みを越えて共感を呼んだようである。また、歯内療法の現在のトピックにも触れ、非歯原性疼痛の鑑別診断、エンドバックシステムやピエゾフローによる根管洗浄、MTAの臨床なども披露された。

 午後は市民公開講座「公開しない歯科矯正」のテーマのもと、第1部「歯を抜かないで本当に治りますか?」と第2部「氾濫する医療情報を見極めるために」の2部構成のシンポジウムが開催された。講演・シンポジウムとも、抜歯をキーワードにして、多方面から考察が行われた。とくに本協会理事らがシンポジストをつとめた第1部では、近年巷にあふれる非抜歯矯正の弊害について語られ、氾濫する医療情報を正確に理解することの重要性が参加一般市民とともにディスカッションされた。

 なお、別室には本協会の認定医取得の条件である100症例審査症例展示が行われており、所狭しと並べられた症例ファイルは圧巻の光景であった。