歯科衛生士 2012年4月
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志柿 洋美*、添島 正和**添島歯科クリニック/*歯科衛生士、**歯科医師第1回 SRPに必要なエックス線写真の条件とは? エックス線写真の読み方・活かし方SRPのための私たち歯科衛生士は日常臨床の中でさまざまな情報をもとに歯周治療(SRP)を行っています。SRP時は直接みることのできない歯根形態と歯石の予測を行うことが重要です。そのための診査として、歯肉縁下へのエキスプローリング、プロービング、デンタルエックス線写真診査があります。中でもデンタルエックス線写真から得られる情報には、歯石が沈着している位置や量、歯槽骨のレベルの把握、根分岐部病変などがあり、慎重で確実なSRPを行ううえで欠かせない情報源です。 本連載では、エックス線写真からSRP時にどんな情報を得ることができ、活用できるかを述べていきますが、第1回めの今回は、まず診査資料として、どのような基準を満たしたデンタルエックス線写真がSRP時に必要か、またそのデンタルエックス線写真を歯周治療により効果的に反映させていくためのキーポイントについて述べていきたいと思います。パノラマエックス線写真では、歯科治療の既往歴や全顎的な、いわばマクロな情報をつかむことができます。逆にデンタルエックス線写真は、歯間部の歯石の量や付着位置、歯根形態、根近接等SRP時に必要な細かい部分を見て取れ、ミクロな情報を得ることができます。より良い診断のためにパノラマエックス線写真も必要ですが、特に歯周治療時にはデンタルエックス線写真の方が適しています(図1)。 SRP時には資料を読み取り、確認しながら行うことが大切 1 診断や治療方針決定のために必要なエックス線写真とは2-1パノラマエックス線写真よりもデンタルエックス線写真を利用する 2ステージ別連載 初級ステージ50 歯科衛生士 Vol. 36 No. 4/2012

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