歯科衛生士 5月
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― 悪性新生物― 心疾患― 脳血管疾患― 肺炎― 不慮の事故― 自殺― 肝疾患― 結核死亡率(人口10万対)280260240220200180160140120100806040200194720102005・1995・1985・19651975・・・1955(年)(年)罹患率:男罹患率:女死亡率:女死亡率:男206040100801401200年齢調整率(人口10万対)5505195060707565809095852000罹患数:男罹患数:女死亡数:女死亡数:男20,00010,00040,00030,00020,00050,00080,00070,00005505195060707565809095852000発生数(年)図2 胃がんの罹患率と死亡率(参考文献2より引用改変)。罹患率および死亡率とも減少傾向(左グラフ)だが、死亡数は男女とも横ばいで、男性の罹患数は増加している(右グラフ)。これは罹患率の高い高齢者人口の比率が上昇していることによると考えられる。図1 死因別年次推移(参考文献1より引用改変)。「次期がん対策推進基本計画」が策定され、2012年度より5ヵ年計画で実行されることになりました。そこには医科歯科連携による口腔ケアの推進(次ページコラム)や、がん医療にかかわる歯科専門職の育成推進が明記されています。したがって、がん医療における歯科のニーズは今後ますます拡大し、歯科衛生士の活躍もおおいに期待されるところです。わが国では、死亡者の約3分の1が悪性新生物(がん)で亡くなっています。1981年から変わらぬ死因の第1位であり(図1)、その内訳において胃がんは罹患率で1位、死因別では肺がんに次ぐ第2位となっています(図2)。しかしながら早期であれば、現在の医療において胃がんは「治るがん」の代表的な存在になりつつあり、胃がんの既往を有する患者さんが一般の歯科医院を受診する機会も多くなってきました。胃は口腔と密接に関連する器官であり、特に消化機能ではタッグを組む関係です。その胃をがんのために手術した後の患者さんの生活、特に食生活は大きく変わり、口腔へも少なからず影響があるため、歯科医療者は適切に対応しなければなりません。病を治しながら、癒しながら歯科医院に通う患者さんの変化を、歯科衛生士が的確につかんで口腔衛生指導等に反映させたいところです。本特別企画では、胃がん治療の知識とともに、胃がん手術を経た患者さんへの対応に役立つ情報を提供します。ますます増える胃がん手術を経た患者とのかかわり日本人のがんでは罹患率第1位16 歯科衛生士 Vol. 36 No. 5/2012

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