歯科衛生士 5月
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志柿 洋美*、添島 正和**添島歯科クリニック/*歯科衛生士、**歯科医師第2回 デンタルエックス線写真で歯槽骨の状態を読み解く エックス線写真の読み方・活かし方SRPのための注意しながら、読影と歯周治療を行いましょう。今回は歯槽骨にスポットを当て、デンタルエックス線写真でどのように歯槽骨の状態を読み解いていったのか、実際のさまざまな臨床例を通して、皆さんの臨床の参考にしていただこうと思います。歯科衛生士には、SRP時に視診で見えない部分をデンタルエックス線写真で読み解く力が必要です。骨吸収は垂直的なのか水平的なのか、同じ1歯でも近心と遠心とでは状態がどう違うのか。患者さんや病変によっても、そこから読み取れる情報やそれを元に行う治療法は千差万別です。こういったさまざまな違いがあることに歯肉退縮している場合、CEJから何mm退縮しているのか、プローブで退縮値を測り、エックス線写真と照らし合わせます。このケースでは、6頬側近心のプロービング値が6mmありましたが、これに退縮した数値をプラスすると近心の根尖近くまで骨吸収が起きていることがわかります。頬側中央の根分岐部病変については状態がはっきりとはわかりませんが、根分岐部にもプローブが5mm入りました。 歯槽骨の状態を診るポイント1 実際の症例を見てみよう!歯肉が退縮している場合2診断のポイント6の頬側は付着歯肉が少ないため、痛みがないよう慎重にSRPを行う。この場合はミニタイプのスケーラーを使用した。図1-b 6近心部には深い骨吸収と歯石が見られる。図1-a 6は歯肉が退縮し、歯根が露出している。歯肉退縮歯肉退縮歯槽骨のライン歯槽骨のラインTHE JOURNAL OF DENTAL HYGIENIST 37ステージ別連載 初級ステージカテゴリー

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