歯科衛生士 1月
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乳歯う蝕は、多くの場合、全国各地で実施されている3歳児健診のデータによって評価されています。最新データ(2011年度)では、3歳児う蝕有病者率は25%ですので、今の勢いでう蝕が減っていけば、歯科口腔保健法の基本的事項の「う蝕を有する3歳児の割合(う蝕有病者率)を2022年時点で10%以下にする」という目標も、十分達成可能でしょう。しかし、乳歯う蝕は3歳以降も増加しますので、3歳という年齢だけで乳歯う蝕を評価することは好ましくありません。 図1は2011年に行われた歯科疾患実態調査1)における1~5歳児のう蝕の有病状況を示したものです。5歳児のう蝕有病者率は約50%で、2人に1人は乳歯う蝕を有しています。また、一人平均う歯数も3歳児に比べて約3倍高くなっています。 それは図2の新潟県における3歳児と5歳児のう蝕(一人平均う歯数)の推移を示したデータからも明らかです2)。図の矢印は、同一年齢集団における推生えてきてからではもう 乳臼歯う蝕は定期健診 定期健診 減ったといわれる乳歯う蝕、しかしそれは3歳児だけのデータだった! 本特集では、乳歯う蝕の実態、健全な口腔を成育するための先手必勝法を示します。図1 乳歯う蝕の有病者率と一人平均う歯数そうだったの!!(参考文献1より引用)UNDER20特集乳臼歯う蝕はまだまだ危ない!実は有病者率50%! まずは乳歯う蝕の実態を確認してみましょう。安藤雄一 国立保健医療科学院・生涯健康研究部1乳歯う蝕の実態 3歳以降に急増! 乳歯う蝕有病者率(%)1人平均う歯数(本)年齢(歳)15432402.0603.0502.5301.5201.0100.500.01人平均う歯数乳歯う蝕有病者率2人に1人はう蝕54歯科衛生士 Vol.38 January 2014

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