歯科衛生士 2月
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あなたの歯科医院にも数多く来ているかもしれない! 舘村 卓Takashi Tachimura大阪大学大学院歯学研究科高次脳口機能学講座准教授一般社団法人TOUCH代表理事 閉塞型睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)は、2003年2月に山陽新幹線の運転手(33歳、身長170cm、体重100kg、BMI34.6)が勤務前日に十分睡眠をとったにもかかわらず、時速270kmで8分間にわたって居眠り運転をした事故が大きく報道され、注目されるようになりました。この事故を受け、2004年3月、国土交通省は、新幹線だけでなく他の運転業種においても交通安全の確保を図る観点から、運転従事者のOSASを早期に発見し、適切な対応をとるように通知しています。 OSASの患者さんは自覚症状がないことがほとんどですが、放置しておくと日常生活に支障をきたすだけでなく、合併症のリスクも高まります。しかし、肥満、顔貌、口腔内所見などの徴候があるため、日々、生活習慣をふまえて患者さんと向き合っている歯科衛生士であれば、発見できるものばかりです。OSASの患者さんが増加している今、歯科医院ではOSASの徴候を察知し、早めの対応や医科の受診を勧めることが重要です。 本稿では、まず前提知識として睡眠時無呼吸症候群とはそもそも何かを整理したうえで、OSASの患者さんの徴候はどのように発見すればいいのか、OSASの治療において歯科医師・歯科衛生士がどのようにかかわればいいのかをまとめます。睡眠時無呼吸症候群の徴候は、もっと歯科衛生士が察知できる!1011(SAT)この記事がライブで聴ける!日本国際歯科大会78歯科衛生士 Vol.38 February 2014

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