歯科衛生士 4月
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老年歯周病学特集勝亦規子Noriko Katsumata米山歯科クリニック歯科衛生士鈴木里保Riho Suzuki米山歯科クリニック歯科衛生士 わが国の高齢化の波は大きく、かつスピードが速いといわれています。この巨大な波は歯科の世界にも確実に影響を与え、歯科医院内でもこれまで経験したことのない対応を迫られる時代に入ると考えます。また、歯科治療や口腔のケアを必要とする人は歯科医院の中だけでなく、外にもいらっしゃることを忘れてはなりません。われわれ歯科医師や歯科衛生士は、安全で安心していただける診療環境を患者さんに提供することを旨として仕事をしていますが、高齢化の波がどのような形で押し寄せてくるかをシミュレーションして、態勢を整えている歯科医院はきわめて少ないと思います。国民の口腔を守る専門職として、地域で本当に信頼される歯科医療を展開するために、歯周病をベースとした診療体系と口腔機能へのアプローチが切に求められる時代が間近に迫っています。いや、すでに到来しているのではないでしょうか。ただ気がつかずに見過ごしているだけかもしれません。 先月号の本特集においても、「歯周治療を始める前に必ず口腔機能を評価しましょう」と提唱されていました。歯科医院での医療安全の見地からも、また訪問診療に出向く際にも、歯科医療者による口腔機能の評価と対応は非常に重要になります。 本稿では、口腔機能の低下から食事が安全に食べられなくなったという主訴で来院された事例を中心に、歯科医院における歯科医療者の対応を考えてみたいと思います。米山武義Takeyoshi Yoneyama米山歯科クリニック歯科医師1011(SAT)()1012(SUN)超高齢社会に対応するために 器質と機能の両面に配慮できる歯科医院をチームでつくろう!25歯科衛生士 Vol.38 April 2014

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