歯科衛生士 4月
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インプラント周囲病変を発症しているかどうかにかかわらず、メインテナンスが基本であることには変わりありません。ここでは、その流れをまとめます。 患者さんの体調はもちろん、生活環境にも変化がないかどうかという確認をまず行います。「何かご不自由なことはありませんか?」「お変わりありませんか?」などと問いかけをするとよいでしょう。 また、前回の来院から今回までの間に、何らかの全身疾 待合室に行って患者さんをお呼びし、そのままユニットまで誘導します。その際に、「●□様、どうぞ」とこちらが呼びかけた際のお返事の声(大きさ・高さ・トーン)や誘導時の歩き方にも気を配り、体調や治療に対する積極性を感患を発症されていないか、それにともなう服薬や治療を受けていないかを確認することも重要です。特に、糖尿病や高血圧症、高脂血症などの循環器系疾患については注意が必要です。私たちが相手にするのは全身の中の口腔内であることをつねに意識しましょう。じ取るようにします。長く通院していただいていると、加齢とともに歩行スピードが遅くなったり、杖をお使いになるようになったりとさまざまな変化がみられます。医療従事者として、患者さんに寄り添うという心がけが必要です。 次に、顔面の観察を始めます。口腔周囲筋の発達具合をチェックすることによって、日常生活において「噛みやすい側」もしくは「噛みにくい側」がないかどうか、左右両側で均等に咀嚼されているのか、噛み癖の確認を行います。 確認の際は、指先を顎関節、手のひらを咬筋に添わせて患者さんの顔面にあて、2~3回口を開閉してもらったり、左右にグライディングしていただきます(図5)。また、口腔周囲筋に関してもその起始・停止を理解しておきましょう。極端に片側の口腔周囲筋が発達している場合、咬合のバランスが崩れ、反対側では噛みにくいという不都合が生じているかもしれません。こうしたことを把握するためには、口腔周囲筋の解剖学的特徴を理解しておく必要があります。インプラント周囲病変の予防・コントロールの両方においてメインテナンスが基本!現状確認2やるべきこと挨拶・誘導1やるべきこと診査3やるべきことスタート5分126394811157210510分1263948111572101020分126394811157210噛み癖の確認をするその138歯科衛生士 Vol.38 April 2014

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