歯科衛生士 4月
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患者さんのタイプ別 ワンランクアップの コミュニケーション術ちょっと困った!●時間枠の設定と意識づけをする●話が脱線し始めたら、要約+共感で話を本題に戻し、 次の業務へ移行する対応のポイント 患者さんへの対応でもっとも大切なことは、どんなタイプの患者さんであっても「信頼関係の構築」です。患者さんとの信頼関係なくして、治療の成功はありえないことを、まずは頭にいれておきましょう。 TYPE1の患者さんが、おしゃべり好きで話が長いのは、信頼関係を築きたいために、積極的にコミュニケーションをとろうとする意識からです。さらにこのタイプの患者さんは「相手が自分のことを理解してくれているか」「相手は自分の気持ちを重んじてくれているか」を重視します。ですから、チェアタイムを意識するあまり、患者さんの話を遮ることは、患者さんとの信頼関係を損なってしまう可能性がありますので避けるべきです。時間への意識づけをしつつ、信頼関係を損なわないように、話を本題に戻して次の業務に移行してくことが理想的な対応といえるでしょう。 の患者さんへのTYPE1 予約時、来院時、チェアサイドと3回にわたって、チェアタイムを患者さんに伝え、時間を意識させる方法です。患者さんの脳裏に「時間」の存在を強くインプットすることで、信頼関係を損なわずに「時間が限られている」を理解してもらいます。 時間の意識づけを徹底しても、おしゃべりが止まらないことも考えられます。このような場合、患者さんの話を要約して、共感的に理解を示し、脱線した話から元に戻します(心理学では“フォーカシング”といいます)。「要約」は患者さんの話を共有することができ、「共感」は、患者さんを心理的安心に導きます。そのうえでのフォーカシングは、こちらの話を抵抗なく受け入れてくれるという効果があります。次回は15時~15時30分でおとりしますね。予約時患者さんに次回のチェアタイムを伝える来院時チェアタイムの確認をする患者さんの話が止まらなくなったら……患者さんの話を要約し、共感的に理解を示す……ところで、そろそろお時間になりましたので、クリーニングに入らせていただいてもよろしいでしょうか?そのうえで、脱線した話を元に戻し、次の業務へ診療開始前より具体的な時間配分を提示するワンランクアップのコミュニケーション術時間枠の設定と意識づけ1ワンランクアップのコミュニケーション術要約+共感で、話を本題に戻す2本日は15時から15時30分までの診療とさせていただきますがよろしいでしょうか?今日はお口の中をていねいに清掃していきたいので、20分はクリーニングの時間、あとの10分は、お話や質問を受けたいと思うのですが、よろしいでしょうか?……のような思いをしたのですか? それは大変でしたね、辛かったですね。51歯科衛生士 Vol.38 April 2014

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