歯科衛生士 5月
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図3 洗口剤一般に歯科医院で使用されている洗口剤で洗口してもらう。筆者らの場合、高齢患者さんに対しては低刺激性の洗口剤「リステリン®ナチュラルケア」を使用している。高齢患者さんの菌血症対策マニュアル先に述べたように、抗菌薬投与をもってしても完全な予防はできません。したがって、特定疾患のリスクがあるかどうかにかかわらず、高齢患者さんに対しては細かな配慮が必要となります2、12、17~19)。ここでは、高齢患者さんの菌血症対策について状況別にご紹介します。スタッフ全員でチェック!歯周治療直前 ココに注意!洗口およびポケット内洗浄を行う 特に、観血処置の前には、洗口剤やポケット内洗浄によって口腔内およびポケット内の細菌を可及的に減らすことが重要です(図3、4)。洗口剤の選択にあたっては、口腔乾燥への配慮から、低刺激で抗菌成分が含まれた医薬品・医薬部外品が良いでしょう。 なお、超音波スケーラーなどを用いることによって、口腔内細菌が飛散し、気流にのって室内に拡散してしまう恐れがあります。歯周治療前の洗口やポケット内洗浄は菌血症対策のみでなく、他の患者さんやスタッフの感染対策も兼ねているのです。ポケット内洗浄は外部注水システムやシリンジを用いて行うが、深く入れ過ぎたり、勢いよく出してポケット底から出血させないように気をつける必要がある。図4 ポケット内洗浄写真提供:清水太郎先生(新潟大学医歯学総合病院)54歯科衛生士 Vol.38 May 2014

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