歯科衛生士 8月
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藤原正識 Masanori Fujiwara兵庫医科大学歯科口腔外科岸本裕充 Hiromitsu Kishimoto兵庫医科大学歯科口腔外科森寺邦康 Kuniyasu Moridera兵庫医科大学歯科口腔外科退院後開業歯科医院に勤務する歯科衛生士も、周管について知っておかないとダメ!※本特集では、「周術期口腔機能管理」を「周管」と略して統一しております。 2012年6月に発表された「がん対策推進基本計画」では、安心かつ安全に質の高いがん医療を提供できるよう、多職種でのチーム医療を推進することが掲げられました。その中には、各種がん治療の副作用・合併症の予防や軽減など患者さんのさらなる生活の質の向上を目的とした医科歯科連携による口腔ケアを推進すべきであると書かれています。これとほぼ同時期、2012年4月の診療報酬改定において新設された「周術期口腔機能管理(周管)」は、この計画を遂行するために、口腔ケアだけでなく歯科治療なども包括したものです。「周術期」とは、本来はがん手術前後の3つの時期、つまり「入院前」「入院中」「退院後」のことを指しますが、保険制度における周管においては、手術以外の放射線治療やがん化学療法による通院治療も含んでいます。 周管は入院中の患者さんを対象とするので、病院で勤務している歯科衛生士の仕事と思っている読者もいるかもしれませんが、少なくとも今後は「入院前」「退院後」であれば歯科医院で勤務している歯科衛生士が周管にかかわるよう求められてきます。つまり、これからの時代、歯科医院勤務の歯科衛生士であっても周管とは何かについて知っておく必要があります。本稿では、周管に関する基礎知識から、患者さんの「入院前」「退院後」に歯科医院の歯科衛生士がどのようにかかわるか解説していきます。開業歯科医院の歯科衛生士が特にかかわりを求められるのはココ!95歯科衛生士 Vol.38 August 2014

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