歯科衛生士 11月
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FOOD ALLERGYFOOD ALLERGYFOOD ALLERGY歯科医院でも注意が 食物アレルギー UNDER20特集今、 なんらかのアレルギーをもつ人は近年急速に増加しており、2010年の厚生労働省の報告によると、わが国の全人口の約2人に1人がなんらかのアレルギー疾患に罹患しているとされています1)。原因は主にアレルギー性鼻炎(花粉症を含む)と喘息の増加で、ここ10年で小学生のアレルギー性鼻炎は30%、気管支喘息は40%増加しているということです。 実際に、私どもの診療室で、2008年6月~2009年12月に来院した初診患者638名(0.6歳から14.2歳、平均年齢4.5歳)を対象に調査したところ、なんらかのアレルギー疾患を有している小児は全体の約30%に及ぶことがわかりました。このうち約6%の小児が食物アレルギーをもち、そのほとんどが鶏卵と乳製品でした。 アレルギーのある患者さんは、歯科で取り扱う薬剤や材料などに対してもアレルギー反応を起こす危険性があります。また、食物アレルギーの患者さんで喘息を合併している場合は、アレルギーの重篤な症状であるアナフィラキシーショックを起こしやすいとされています。さらに小児の場合は、まだアレルゲンが不明な場合もあります。私たち歯科医療従事者は、このような現状をふまえて対処していく必要があります。(外木徳子)永倉顕一Kenichi Nagakura国立病院機構相模原病院小児科小倉聖剛Kiyotake Ogura国立病院機構相模原病院小児科海老澤元宏Motohiro Ebisawa国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部長外木徳子Noriko Tonogi とのぎ小児歯科歯科医師30歯科衛生士 Vol.38 November 2014

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