歯科衛生士 12月
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症候群?症候群?本編でご紹介するとおり、BMSの原因は局所的要因、全身的要因、心理的要因の3つに分類されます。本稿では、主に歯科衛生士がかかわることが多く、心理的要因が原因で起こるBMSについて解説します。図1 BMSの患者さんにみられる特徴P.48舌の痛みを訴える患者さんが来院!この人は何の病気?P.50歯科衛生士が知っておくべきBMSとはどんなもの?P.54BMSの患者さんへの対応マニュアルこの患者さんは口腔灼熱症候群(BMS)が疑われた!●頭痛●肩こり●耳鳴り●めまい●動悸●睡眠障害(不眠、過眠)●悪心、嘔吐、胃部不快感●食欲不振、過食●腰痛●生理不順、性欲減退●下痢、便秘、排尿困難図2 BMSにともなう自律神経症状これらの自律神経症状が多くみられるほど、BMSである可能性が高くなる。 その後患者さんは自費でクラウンを再装着されましたが、症状はさらに悪化。患者さんは舌ガンなど悪い病気ではないかと心配されていたため、大学病院で筆者が診ることになりました。患者さんの話では、日中よりも夜の方が痛みが強くなるほか、母親の介護で毎日忙しく、頭痛、肩こり、めまいにも悩まされていました。これらの話をふまえて、図1に示す特徴が複数認められたため、BMSと診断しました。患者さんの話をもとに、筆者が診断してみると……40~60歳で、閉経後の中高年の女性性格は真面目で几帳面、完璧主義痛みは、舌の両側(一側性の場合もある)で生じ、「ピリピリ、ヒリヒリした灼けるような痛み」と表現される。なお、痛みは口蓋、口唇に起こることもある耐えられないほどの痛みではないが、持続性である。また、慢性的でもある痛みは午前中よりも、夕方から夜にかけて増大する痛む部位が変わることがある食事や会話には支障がないことが多い。むしろ、食事で軽減することもある何かに夢中になっているときは気にならない補綴物装着後やインプラントなどの歯科治療後に発症することもある「食べ物がおいしくない」「味がしない」など味覚の変化をともなうことがある自覚的な口腔乾燥症をともなうことがあるさまざまな自律神経症状(図2)やその他の身体部位の痛みをともなうことが多いガン恐怖症である今回の患者さんにあてはまったのは、これ!49歯科衛生士 Vol.38 December 2014

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