歯科衛生士 2016年8月
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清水清恵Kiyoe Shimizu清水歯科クリニック副院長子育ての悩みの相談窓口は歯科衛生士!仕上げみがき、食事、“お口ポカン”……未就学児のお口の  口腔機能は基本的な生活機能に大きくかかわっているため、育児の悩みの中には食事をはじめお口の機能に関するものが多く含まれています。かかりつけ歯科医院はお口の専門家として定期的に患者さんを診る機会を持っていますので、保護者の育児の悩みからその背景にある疾患や口腔に起因した問題に気がつくことができます。 なかでも患者さんにとって身近な存在である歯科衛生士は、ご家族や生活背景を考慮しながら、その子の成長発育を経年的に観察しアドバイスができる立場にあります。情報が溢れ、交錯する現代社会では育児の情報も容易にさまざまなところから得ることができますが、そのためにかえって不安になってしまうことも多いようです。だからこそ、患者さんは“うちの子のお口”への答えを求めています。 インターネットや集団指導では得ることができない、一人ひとりの成長発育をしっかりと把握したうえでの“あなたのお子さん”への指導は保護者にとって何よりも頼もしいものとなるでしょう。かかりつけ歯科医院が保護者の抱える口の悩みに耳を傾け、その背景に潜んだ子どもたちの健康上の問題を早期に発見し、未病のうちに対応することができれば、その子の未来はより健やかに充実したものになるでしょう。歯科衛生士の皆さん、出番です! 本特集では、筆者が、日々の臨床の中で相談されることの多い、未就学児の保護者が抱える子育ての悩みの代表的なものとして、右の3つにしぼって解説します。未就学児の保護者が抱えるお口の悩み「仕上げみがきをしようとすると逃げ回る」「やっと頭を膝の上に乗せて仕上げみがきができると思ったら嫌がるので短時間で済ませてしまう」などはよく耳にするお悩みです。また、「舌や頬に邪魔されてうまく磨けないです!」と訴えられることも多いのではないでしょうか。1仕上げみがきがしにくい歯科衛生士 August 2016 vol.4034

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