歯科衛生士 2016年9月
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(%)(歳)1.00.80.60.40.20175678910111213141516口腔内にもを迎える前に知っておきたい  のアプローチ思春期難しい時期を乗り切るために!来院のたびにグッと大人っぽくなる子どもたち。子どもから大人への過渡期として、思春期には内外に大きな変化が起こります。 たちに何が起きる?心の変化●歯肉に所見のある者の割合は増齢的に増加している(図2)。思春期になると、歯石沈着のみられる者や深い歯周ポケット(4~6mm)を有する者なども増え、歯周炎につながる所見の増加がみられる。●永久歯への交換により歯列・咬合の問題が生じやすくなる。●遺伝的要因に加えて顎骨と歯の大きさの不調和による歯列不正も起こりやすくなる。●顎関節の症状(痛みや雑音など)を訴える者が徐々に増加する。これには第二大臼歯・第三大臼歯の萌出による歯列・咬合の変化や態癖(頬杖、睡眠態癖、片側噛み)などの生活習慣、精神的ストレスなどの関与が考えられる。●女子では女性ホルモンの増加による思春期性歯肉炎(写真)がみられやすく、とくに生理中に歯肉炎が起こりやすくなる。歯肉炎(歯周炎)が増える2不正咬合・顎関節症が増える3図2 歯肉の所見の有無(年齢階級別)図3 顎関節に所見のある者の割合(痛み、開口障害など)69.130.945.354.735.564.5(%)01002040608015~19歳10~14歳5~9歳所見あり所見なし●就寝時刻が夜11時以降の者が増える。就寝時刻が遅い者は夜食の摂取が多く、また朝食の欠食が多い傾向がみられる。●親の保護から離れ、生活行動が自立・自律してくる。歯科受診も子ども1人で来院する場合が多くなる。●学校での部活動やスポーツクラブなどに時間を費やす割合が高くなる。●精神的に不安定になりやすく、いろいろな問題行動にも結びつきやすくなる。女子は痩身願望が強くなり、過度なダイエットや摂食障害(思春期やせ症)になる子もいる。●自分の独自性を求める時期。親や周囲の大人の干渉に逆らいがちで、「第二反抗期」とも呼ばれる。●同世代の仲間からの評価を気にするようになり、容姿、服装、持ち物など外見への気づかいが強くなる。●友だちや他人との比較から、いろいろな悩みが出てきやすくなる。●親との関係が希薄になる反面、同世代の友だちとのかかわりが強くなる。生活行動も友達からの影響を受けやすくなる。●身体的変化から大人に近づいたという気持ちが生まれ、親の管理下から離れようとする。いわゆる親離れの時期ではあるが、まだ精神的自立は難しい。(文献1より作成)(文献2より作成)29歯科衛生士 September 2016 vol.40

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