歯科衛生士 2016年9月
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 義歯洗浄剤の成分によって、洗浄効果は異なります。表1に、義歯洗浄剤の各洗浄効果を示します1)。殺菌作用の非常に強い義歯洗浄剤は次亜塩素酸、銀系無機抗菌剤、消毒薬で、酵素や生薬は弱いようでした。バイオフィルム除去能については、銀系無機抗菌剤、酸、消毒薬が非常に強く、過酸化物や酵素入り酸化物も強い傾向でしたが、酵素や生薬は弱い傾向でした。歯石除去作用には酸、消臭作用には過酸化物や酵素入り過酸化物が非常に強いようです。 また、表には入っていませんが、ステイン除去効果が高いのは次亜塩素酸です。患者さんが実際に使用している義歯洗浄剤や院内で販売している義歯洗浄剤の成分から洗浄効果を確認することも必要と考えます。 義歯洗浄剤は主成分と有効成分により、次亜塩素酸、過酸化物、酵素入り過酸化物、酵素、銀系無機抗菌剤、生薬、消毒薬(界面活性剤)、二酸化チタン光触媒等に分類されます。義歯洗浄剤を使い分けるうえで押さえておきたいのは、成分の洗浄効果と義歯材質への影響です。清掃する義歯と目的に合わせて、この2つを考慮し、どのような義歯洗浄剤を使うのか判断することが重要です。表1 義歯洗浄剤の主成分と有効成分による効果の違い◎:非常に強い  ○:強い  △:普通  ×:弱い  ―:データ無し洗浄効果1義歯洗浄剤の主成分・有効成分殺菌作用バイオフィルム除去能歯石除去作用消臭作用次亜塩素酸◎△――過酸化物○○―◎酵素入り過酸化物○○―◎酵素△×―△銀系無機抗菌剤◎◎――生薬××―○酸○◎◎×消毒薬(界面活性剤)+超音波◎◎―△(文献1より引用)患者さんの義歯に合った義歯洗浄剤の使い分けのポイントについて、セルフケアとプロフェッショナルケアのそれぞれでまとめます。セルフケア・プロケアそれぞれの義歯洗浄剤の使い分け3成分をチェック!目的と義歯材質に適しているかセルフケア歯科衛生士 September 2016 vol.4046

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