歯科衛生士 2017年4月
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患者さんにピッタリ な指導展開が わかる!検査結果&このフレーズを活用して磨かない磨けない磨かない磨けない磨かない磨けない磨かない磨けない まず、以下のチャートにしたがって、大きく“磨けない”のか“磨かない”のかを判断します。なお、本稿では、PCR、GI共に20%以下を「よい」、20%を超えれば「悪い」とします[Q3]。最初に、来院時のPCRを採ります。初診時や歯周組織検査時のPCRではなく、必ず、その日の最初のPCRを採ってください。目標値の20%を超えていても、PCR①では、40%以下であればただちに「悪い」とせず、GIを採って総合的に判断します。GIが20%以下なら、「ふだんは磨けているが“たまたま今日だけ”磨けていない」と考えることもできます。その場合、次回再度確認してもよいし、STEP3、4に進んでもよいでしょう。次にその場で「いつもと同じように磨いてください」と言ってその場で磨いてもらい、再度PCRを採ります。PCR①もPCR②も共に悪ければ、“磨けない”と判断して、STEP1から始めます。⇒P.36へPCR①やGIが悪く(当院では20%以下)、PCR②が良ければ、“磨かない”と判断して、STEP2から始めます。⇒P.38へどちらも良ければ、STEP3と判断して、オーバーブラッシングなどの害がないかを診て必要があれば対処し、経過観察しながら、生活習慣として定着を促すステップ(STEP4)に進めていきます。⇒P.40へPCR①が40%以下の時は、GIも採ります。 OHIにおいては、プラーク除去率を示すPCRはあくまでも検査時の(瞬間的な)磨き残しを意味し、「磨ける」かどうかを判断する指標になります。 一方、GIは、歯肉辺縁の炎症の状態を指数で表しています。Löe H.のグループが行った、ヒトにおける実験的歯肉炎の研究(1965)1)によれば、適切なプラークコントロールが行われれば、歯肉炎は約1週間で消退することがわかっています。 このことから、来院時にプラークがなくても(=PCRが低くても)、歯肉辺縁に炎症があれば、日常のブラッシングができていないことを意味します。患者さんには、GIの結果を「ここ1週間の磨き残しです」と説明します。Q3PCR(プラークコントロールレコード)とGI(歯肉炎指数)はOHIでどんな意味をもつ?STEP1STEP1STEP2STEP3∙4~40%41%~~20%21%~~20%21%~ PCRを採り直す時は、患者さんの磨きかたの問題点を把握するために、「いつもと同じように磨いてください」と言って、磨いてもらっている際に歯ブラシの動かしかたなどを観察し、使用している歯ブラシや補助器具も直接見て確認します。ただし、問題を発見しても、すぐに指摘や指導はしないでください。Point4患者さんのブラッシングに問題を見つけても、すぐ指摘しない 悪いところを指摘し、それに対して指導する方法では、選択肢を奪うことになり(表1③)、患者さんの心理的な反発を招きやすくなるため、信頼が得られにくくなります。Point4PCR①来院時GI来院時PCR②ブラッシング後検査記録を持って説明を聞いてもらう 歯周治療は患者さん自身が治療に参加する意識を持たないと成功しません。説明時には検査記録を手に持ってもらうことで、受け身になりがちな患者さんが、自ら進んで治療に参加することを後押しします。Point5 1回のOHIでこの後もさらにPCRを採る場合もありますが、これらはすべて記録として残します。なお、検査結果の説明をするときは、必ず患者さんに記録用紙や電子媒体(次ページ図2)を手に持ってもらって説明します。Point535歯科衛生士 April 2017 vol.41

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