歯科衛生士 2017年4月
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こと、そして疾患の発症、進行を未然に防ぐことも、歯科衛生士の職務である歯科予防処置の一部だと考えます。 口腔粘膜疾患のなかには、がんが高頻度に発生する可能性のある前がん病変もあります。口腔がんの罹患率は、すべてのがんのうち11~14番目で1~3%ですが、以前に比べると男女ともに増加傾向にあります1)。好発年齢は50歳以上ですが、2000年以降は若年者と女性が増加しています2,3)。 摂食や嚥下、構音など、生活をするうえで重要な器官である口腔を守るのは、定期的に患者さんの口腔内をみる歯科衛生士の観察力にかかっているといっても過言ではありません。 そこで、今月は[知識編]として、「どのような口腔粘膜疾患があるのか」を色分けをしながら解説し、後編となる[実践編]では、明日から使える「口腔粘膜疾患を見逃さないための診方」を、患者さんへの説明や指導の裏付けとなる内容や症例とともにお伝えします。〈引用文献〉1. 厚生労働省.平成13年 人口動態統計の年間推計. 2001. http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei01/(2017年2月20日アクセス)2. 国立がん研究センター. がん情報サービス. 罹患データ(全国推計値). http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html#mortality(2017年2月22日アクセス)3. 森川貴迪, 太尾英子, 船越彩子, 岩本昌士, 別所央城, 薬師寺 孝, 野村武史, 髙野伸夫, 柴原孝彦. 当科における若年者口腔癌25年間の臨床統計的検討. 日本口腔外科学会雑誌 2016;62(4):144-150.黒黄白赤P.51〜P.53〜P.56〜P.55〜47歯科衛生士 April 2017 vol.41

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