歯科衛生士 2017年6月
1/8

 口腔内を診るとき、う蝕や補綴物の確認は言わずもがなですが、口腔粘膜疾患については、なにを診ればいいのでしょうか。診断の鍵を握るのは、色、形態、表面性状、大きさです。 診査に際しても、知識編(2017年4月号P.47~)を参考違和感や変化に気づいた際は、何に注目して、どんな情報を得ておくべきなのかを把握しておきましょう。正確な診断につながる診査のポイント2Part発見したら、なにを診る?に色を確認した後は、形態と表面性状と大きさを診ていきます。原則として病変には触れないように診査を進めてください。スムーズな診断につなげるためにも、的確に情報を収集し、報告しましょう! 形態腫瘤状平坦状丘状凹状 膨隆しているか、腫脹しているかなど、どのような形となって粘膜に表れているかを診ます。代表的なものとして、腫瘤状病変、丘状の病変、平坦な病変、凹んだ病変などがあります。外向性に発育した病変。線維腫や脂肪腫は表面性状が平滑だが、乳頭腫や扁平上皮がんは粗造な腫瘤であることが多い。膨隆は少ない外向性に発育した病変。白色病変では表面性状が平滑か粗造かをしっかり観察する必要がある。粗造なものは上皮異形が強い場合が多い。内向性に発育した病変。粘膜の下の病変が腫脹した状態。扁平上皮がんの可能性もあるので、粘膜の色、患者の自覚症状と合わせて観察する必要がある。内向性の病変。口内炎などがあげられる。凹みの周囲が膨隆したり硬結がある場合は、扁平上皮がんの可能性があるので注意する。扁平上皮がん扁平上皮がん白板症口内炎歯科衛生士 June 2017 vol.4134

元のページ  ../index.html#1

このブックを見る