歯科衛生士 2017年6月
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[実践編]日常診療で確実にとらえるコツ 口腔粘膜疾患 識別ガイドどこをみる?なにがわかる?病変の大きさ表面性状 表面の状態を確認します。主に平滑、粗造、偽膜形成、肉芽状などの状態がみられます。また、もう一つ重要なのは、病変と周囲の健常な粘膜との境が明瞭か、不明瞭となっているかです。境界が不明瞭な病変の場合、「悪性を疑え」というサインになります。 大きさは、粟粒大、小豆大、大豆大、小指頭大、母指頭大、鶏卵大などで表現しますが、より正確に把握するためにも計測可能な部位は定規などで長径、短径を計測し記録しましょう。特に白板症(2017年4月号P.52参照)において多発性、広範囲の病変はがん化率が高いので注意が必要です。 また、進行のようすなどを把握するためにも、写真で記録しておくことが大変重要です。粗造びらんなどの表面性状が粗造な病変。発赤や痛みがみられる場合扁平上皮がんの可能性があるので注意が必要。角化病変も粗造で不均一の場合は注意。平滑表面性状が滑沢で凹凸の少ない病変。角化病変や粘膜異常のない腫瘤性病変がある。肉芽状表面に細かな凹凸のある病変。肉芽腫などがあるが、扁平上皮がんの可能性もある。偽膜形成口内炎などの病変で、偽膜には線維素、赤血球、好中球、細胞破壊物が含まれる。歯肉縁に偽膜性潰瘍を認め、体調不良の場合、壊死性潰瘍性歯肉炎の可能性があるので、いたずらに触診してはいけない。白板症口内炎扁平上皮がん扁平上皮がん35歯科衛生士 June 2017 vol.41

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