歯科衛生士 2018年1月
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1,000⇒1,500ppmへフッ化物濃度が上がると、どうなる?まず、このたび承認された上限1,500ppmの高濃度フッ化物配合歯磨剤とはどのようなもので、それによりどんなう蝕予防効果が期待できるのかを押さえておきましょう。 今回新たに承認されたのは1,000ppm~1,500ppmのフッ化物を歯磨剤に配合することです。「ppm」は、「parts per million(パーツ・パー・ミリオン)」の頭文字を取ったもので、100万分率を意味する割合の単位記号です(百分率を表す「%」の1万分の1)。主に微量物質の濃度を表すときに使います。また、水中の微量物質の濃度について用いる場合、水1ℓ中に含まれる該当成分の量(mg単位)を近似的に表すこともあり、その場合「mg/ℓ」 を意味します1)。 フッ化物が歯に作用すると、歯のエナメル質を構成するハイドロキシアパタイト(HA)の結晶性を改善する、フルオロアパタイト(FA)を生成しエナメル質の歯質を強化する、唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオン たとえば、1,000ppmは、フッ化物イオンが 1,0001,000,000、1,500ppmは、フッ化物イオンが 1,5001,000,000 の割合で含まれる濃度を表します(%で表すと、それぞれ0.1%Fと0.15%Fとなります)。 今回の改定により、高濃度フッ化物配合歯磨剤においては、配合量に基づくフッ素としての濃度を使用時および購入時に確認できるよう、直接、容器および外部の被包などに記載することが決められました。とともに脱灰部分の再石灰化を促進する2)などの効果があります。歯磨剤のフッ化物濃度が1,000ppmから1,500ppmに上がると、こうしたう蝕予防効果が上がることが、海外のレポートや論文から読み取れますその前に……そもそも、“ppm”って?う蝕予防に期待大!覚えておこう! 単位換算表MEMO1ppm=10-6=0.000001=0.0001%100ppm=0.01%1,000ppm=0.1%10,000ppm=1%知識編余談ですが、20年ほど前、筆者がppmの単位が覚えられずにいたところ、「あなたと私が100万円と1円を交換したら、100万分の1。すなわちこれがppmって、覚えればいいんですよ」と教えてくれた先生がいました。「100万円と1円を交換するなんて!」と印象深く、それで覚えてしまいました。歯科衛生士 January 2018 vol.4228

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