歯科衛生士 2018年3月
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SPEAKER’S ARTICLE第8回 日本国際歯科大会2018DH第 ホール410/6(SAT)午後患者さんに 歯ブラシの 患者さんに合う歯ブラシを選んでこそ、健康が期待できる 世間には、市販品・歯科専売品を問わずさまざまな歯ブラシが販売されています。その中から、歯科医療者ではない方が自分に合ったものを探すことは難しいです。そのため、患者さんはテレビコマーシャルやパッケージから得られる情報(主にキャッチコピーなど)を基準に歯ブラシを選ばれていたり、はたまた製品に使われている色を理由に選ばれていることさえあると思います。 筆者は、歯ブラシは商品説明が必要なものだと考えています。一人ひとり歯並びが違えば、口腔内の環境も違います。う蝕になりやすい人もいれば、歯周病になりやすい人もいます。また、手が小さいか、大きいか、不自由かによって握り方も変わりますし、年齢や食生活、生活習慣によっても歯ブラシの選び方は異なります。 歯ブラシ選びは磨き残しを左右するほど重要な役割を果たします。どんなに時間をかけてていねいに磨いても、歯ブラシが本人のお口の状態に合っていなければ、う蝕や歯周病の改善・予防は期待できません。また、自分に合った歯ブラシを選ぶことは、歯の健康だけでなく、全身の健康を守ることにもつながります。 したがって、私たちは専門職として、それぞれの患者さんに合う歯ブラシを提案することが重要です。さらに、歯ブラシの交換目安が1ヵ月である理由(P.40参照)など、患者さんの歯ブラシに関する「なぜ?」について説明できると、行動変容にもつながりやすくなると考えます。 本特集では、患者さんに合う歯ブラシを提案するための知識と選び方のヒントについてご紹介いたします。歯ブラシセレクトガイド患者さんに合った歯ブラシを選ぶ際、考慮しておきたい項目をまとめました。小社ウェブサイトからはPDF版がダウンロードできます。とじ込み&DL付録歯科衛生士2018年3月号とじ込み付録 ©クインテッセンス出版㈱特集1 28ページより  ﹇監修﹈森 光恵、森 昭とじ込みDL付録本シートを切り離す、またはPDF版をプリントして、患者さんに合う歯ブラシを選ぶ際にご活用ください。使い方歯ブラシセレクトガイド&太さ幅長さ厚さ長さ歯ブラシセレクトガイド毛の硬さやネックの形状などの種類で、患者さんにどの歯ブラシが合うか迷った際、以下の項目を考慮して選びましょう。毛毛先の形態を選ぶ場合プラークの硬さは?プラークの量は?歯肉の色は?う蝕のリスクはあるか?歯周病のリスクはあるか?唾液は出ているか?年齢は?(20代まで/30代以降)全身疾患はあるか?硬さを選ぶ場合プラークの硬さは?歯肉の色は?う蝕のリスクはあるか?歯周病のリスクはあるか?食生活はどうか?全身疾患はあるか?頭部(ヘッド)長さを選ぶ場合高齢者か?手先は器用か?幅を選ぶ場合歯列不正はあるか?厚さを選ぶ場合妊娠中の場合、つわりはあるか?嘔吐反射が強いか?把柄部(ハンドル)太さを選ぶ場合高齢者か?手の大きさはどうか?握力はどうか?手先の不自由さはあるか?長さを選ぶ場合手の大きさはどうか?頚部(ネック)形状を選ぶ場合ブラッシング圧はどうか?歯肉退縮はあるか?知覚過敏はあるか?[監修]森 光恵 (竹屋町森歯科クリニック・歯科衛生士)森 昭 (竹屋町森歯科クリニック・院長)pⅠ_DH03_Furoku1_CC2014.indd 12018/02/06 15:291特 集歯科衛生士 March 2018 vol.4228

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