歯科衛生士 2018年4月
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そこに“介護者の生活スケジュール”が加わる!  私たちの行う居宅療養管理指導は、表1のようなスケジュールの合間に組み込んでいくことになります。ただし、これは療養生活をするための計画表ですので、買い物など介護者の所用は含まれていません。つい患者さん主体で考えてしまいますが、介護者であるご家族も自身の通院や日々の買い物がありますし、仕事をされている場合もあるのです。それでも自宅には、ひっきりなしに訪問者がやって来ます。まさに、目が回る忙しさであるといえます。患者さんの状態・取り巻く環境・家族関係・経済状態を勘案し、いろいろな サービスを組み合わせることで自宅で生活できるように考えられている。種類サービス内容訪問系サービス患者さんのお宅に事業者が伺ってサービス提供を行うもの。訪問介護(ヘルパー)、訪問看護、訪問リハビリ、訪問入浴など。通所系サービス患者さん自身が該当施設に行きサービス提供を受けるもの。通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)など。入所系サービス短期間(定められた期間内)施設入所を行いサービス提供を受けるもの。短期入所生活介護(特養や専門施設等)、短期入所療養介護(老健)などで、一般的に「ショートステイ」と呼ばれる。表2 在宅サービス一覧患者さんの介護度 ➡ 医療介護サービス量をある程度把握できる介護者の生活を意識するケアマネがいる場合 ➡ 事前に週間スケジュールを教えてもらうケアマネがいない場合 ➡ 訪問時の医療面接で患者さんやご家族に週間スケジュールを教えてもらうサービスは必ずしも自宅で行われるものだけではない週間スケジュールを知ろう         有友たかね ここまでで、事前に、どのような医療介護サービスを利用されていて、どのようなスケジュールで日々過ごされているかを知っておくことが大切だとおわかりになったでしょう。 ケアマネジャー(以下、ケアマネ)がいれば、連絡をとり、居宅サービス計画書(以下、ケアプラン)の週間サービス計画表を送付してもらいます。ケアマネがいない患者さんには、電話で都合のよい日時をお聞きし、訪問日を決めましょう。また、その場合、医療面接時に週間スケジュールを確認することが患者家族の負担を考慮するうえで大切になってきます。 とはいえ、歯科側の都合もあると思いますので、患者さんのスケジュールを理解したうえで調整しましょう。自宅以外で受けるサービスもある      川﨑恵美 患者さんが介護保険の認定を受け、介護度が決定していれば、ほとんどの方にケアマネもしくは地域包括支援センターが担当者としてつき※1、在宅での生活に必要なケアプランを作成しています。 ケアプランに位置付けられるサービスにはさまざまなものがありますが、すべて目的は「その方が自宅で生活するための支援」です。サービスは1日・1週間・1ヵ月単位での視点で計画されており、ケアプランの第3表※2で確認することができます。どのようなサービスを受けているのかを把握しておくことは、治療にあたって、患者さんの状態・生活を知るためにも重要です。 表2に示すように、サービスには大きく分けて、「訪問系サービス」「通所系サービス」「入所系サービス」の3つがあります。サービスによっては自宅外で行われるものもありますので、その方のスケジュールを把握することは、訪問の日程を決めるうえで必ず考慮しなければいけません。 ケアプランに記されたサービス内容・時間・曜日等は、サービス担当者会議を経て根拠に基づき、必要に応じて決定されているので、歯科の都合でサービスの変更を行うことは、できる限り避けていただきたいと思います。週間サービス計画表に書かれていることは……有友たかね 歯科衛生士川﨑恵美 歯科衛生士/ケアマネジャー※1:要支援1・2の患者さんの場合は地域包括支援センター(委託として居宅のケアマネが担当している場合もある)、要介護1~5の患者さんの場合はケアマネが担当している。※2:居宅サービス計画書は第1表~第3表が主として作成される。そのうち第3表は週間サービス計画表のことで、一日ごと、一週間ごとのスケジュールが分かるものとなっている。69歯科衛生士 April 2018 vol.42

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