歯科衛生士 2018年5月
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「脱・歯を磨こう」の歯科保健指導Dr.オカザキ直伝! いかがですか? おいしく、しっかり噛んで食べられるようにくふうされていて、すばらしいですよね。しかも、地産地消の食材ばかりでした。給食を作る調理師さんも、誇りを持って仕事をされているのでしょうね。 一方で、現場からは「硬い食材を入れると残飯が増加する」という声があるのも事実です。学校給食は、所要栄養 またまた大公開!昨年4月号に引き続き、筆者が歯科保健指導で重宝しているネタについて、スペースの許す限りご紹介します。量や予算、給食をつくる時間、食べる時間などさまざまな制約の中でつくられています。最初にお見せした給食もそういう状況でつくられているという事情を理解する必要がありますし、だからこそ、学校だけでなく、自治体や関係職種を含めて皆で考えていくことが必要です。もちろんそこには、歯科医療従事者の存在は不可欠です。  この話からわかること食材の形態・調理法によって噛む回数は変えられる  こんなシーンにオススメ子どもにかかわるすべての大人POINT学校給食だけでなく、家庭での食事のアドバイスにも活かしやすい ドイツ語の“食べる”という動詞には、“フレッセン”と“エッセン”の2つの言葉があります。“フレッセン”は、動物が食べること、あるいは生命保持のために食べることです。一方、“エッセン”は、人間が食べるということです。栄養学的観点から捉えた“フレッセン”と大きく異なり、“エッセン”はそこに“心の要素”が加わり、“おいしく・楽しく食べる”という意味合いになります。 そう考えると、先ほどの2校の給食は“エッセン”なのか、“フレッセン”なのかということはおのずと見えてきます。栄養学的には、両者とも充足されています。では、どちらを食べている子どもたちがより健康になるでしょうか。もちろん後者です。栄養量とは、本来口に入ってからカウントされるべきものですから、残飯が多ければ意味がありません。したがって、給食にも「見た目の良さ」や「おいしさ」が不可欠だと考えます。噛みごたえのある食事人間が食べる動物が食べるフレッセンfressenエッセンessen“フレッセン”ではなく“エッセン”COLUMN一方、先日行った別の小学校の給食がこれです。魚のアマゴが丸一匹入っていて、子どもたちはそれを頭からかじりついて食べていました。野菜はスティック状になっていますし、リンゴは皮付きです(詳しくは後述)。汁物は具だくさんですし、スルメまで付いています。27歯科衛生士 May 2018 vol.42

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