歯科衛生士 2018年6月
1/8

2エンド・ペリオ病変はこう見分ける 歯肉の腫脹、歯周ポケットの存在、エックス線上での歯槽骨の吸収が見られた場合、何らかの問題(感染)があることが考えられます。これらは歯周疾患が原因のことが多いのは事実ですが、すべてが歯ペリオ周治療で治癒するとは限りません。先のケースのように、場合によっては根管からの感染、すなわち歯エンド内病変が原因であることも考えられるからです。 したがって、歯周疾患と決めつけることなく、他の可能性がないかを今一度冷静に考えて、歯科医師とともに、正確な診断のもとで治療を開始するよう心掛けましょう。 そのために、本章では、「他の可能性」――すなわち、エンド・ペリオ病変を中心に解説します。エンド(歯内病変)由来型歯内疾患が歯周組織へ波及歯内疾患と歯周疾患の両方が独立/歯内疾患と歯周疾患の両方が交通2年後根管充填後4ヵ月で骨欠損の改善が見られたため、最終補綴物を装着し、2年後の状態。歯周治療はSRPのみで、大きく介入はしておらず、安定した状態を保っている。エンド・ペリオ由来型(併発型)Ⅱ型Ⅰ型術前50歳男性。左下奥の違和感にて来院。6根分岐部に透過像が見られる。失活歯であるため、まず根管治療を行った。術前45歳女性。右下奥歯の咬合痛により来院。根分岐部から根尖、遠心にかけて深い歯周ポケットが見られた。歯周疾患以外44の原因もあるエンド・ペリオ病変の分類 (Simonの分類)1,2)はじめに図1a歯科衛生士 June 2018 vol.4234

元のページ  ../index.html#1

このブックを見る