歯科衛生士 2018年7月
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DHのためのインプラント治療To Doリスト術前・術中・術後のココで差がつく!患者さんにインプラント治療にかかる負担を知ってもらうStep2患者さんに費用や治療の流れを伝える 私たちが患者さんのことを理解したら、次は、患者さんにこれからの治療の流れを理解してもらいましょう。私たちが最高の治療を提供できたつもりでいても、「そこまで望んでいなかった」「思ったより値段が高かった」など、納得されなければ互いに不幸です。そのようなことを起こさないためにも、コンサルテーション(問題解決方法の提案)をします。主にCTや基本検査、咬合の確認などの資料をもとに、歯科医師が立てた治療計画を説明し、期間や費用、治療の流れを理解してもらいます。 ポイントは、「コンサルテーションは1回ではない」ということ。1回のコンサルテーションでたくさんのことを一度にインプラント治療は何を目指すのか インプラント治療は歯周病などの病的な要因、事故などによる外傷的要因、生まれつきのものによる先天的要因などにより、歯を失った患者さんに行う機能的、審美的、精神的回復を行う治療です。体感(機能)や見た目(審美)のみに着目しがちですが、それらの改善により精神的な回復が見られることも説明しておきましょう。性格がポジティブになることで、今までのコンプレックスから解放される方もいます。インプラントの構造 インプラント治療は複雑なために時間がかかるということ、天然歯と違い、破損することもあるということ、そして、病気になるということを知ってもらうために構造の説明をしましょう。歯根の代わりとなるインプラント体(フィクスチャー)を顎骨内に埋入し、上部構造を装着します。基本的には、天然歯でいう歯根から歯冠までの回復に、インプラント体、アバットメント、上部構造の3ピースを要します。その他にもインプラント体とアバットメントが一体になっているワンピース型のインプラントなどもあります。インプラント治療って何?と聞かれたら ~インプラント治療の説明のポイント~義歯の脱離などを気にせずに笑える、より天然歯に近い見栄えがするなど審美的回復コンプレックスによる塞ぎこみや、精神的な対人接触障害などの回復精神的回復機能的回復咬合力の回復、咬合の安定、歯槽骨の維持など話しても記憶に残ることは一部で、完全には理解できない患者さんがほとんどです。数回にわけて行うことが不可欠で、まず1回目は、治療内容や期間、費用の確認と同意を得たうえで、歯周基本治療から補綴装着までの過程、その後のメインテナンスなど大まかな治療の流れを説明します。 患者さんから合意をいただいたあとは、Step3の歯周基本治療へ移行していきますが、その後、各治療ステップに入る前に一つひとつその都度細かく説明します。歯周基本治療には、回数を要することがあるため、患者さんと顔を合わせる機会の多い歯科衛生士が話すタイミングを作ります。もちろん、TCや歯科医師からの説明もこのタイミングでよいでしょう。Columnでも練習しています」という患者さんはどうでしょう? 皆さんは何か引っかかりますか? これは、上顎洞やその付近を触るようなインプラント手術をする場合、要注意となります。サックスを吹くときは、力みながら息を吹きます。その際に、上顎洞に圧がかかり、インプラント体に悪影響を及ぼす恐れがあるから(左ページ図2)です。 何気ない習い事、習慣でもなんらかの関連がある可能性を理解し、患者さんのささいな情報にも目を向けましょう。インプラント体(フィクスチャー)アバットメント(支台)スクリュー上部構造47歯科衛生士 July 2018 vol.42

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