歯科衛生士 2018年7月
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歯科衛生士が行う居宅療養管理指導 一方、歯科衛生士が行う場合、①訪問診療を行った歯科医師の指示に基づくこと、②歯科医師と共同で作成した「管理指導計画」を患者さんやご家族などに対して交付すること、③「管理指導計画」にしたがった療養上必要な実地指導を1対1で20分以上行うことなど、細かい規定があります*4。歯科衛生*4 歯科衛生士の居宅療養管理指導費:患者さんが要介護か要支援かにより、「歯科衛生士等居宅療養管理指導費Ⅰ・Ⅱ」「歯科衛生士等介護予防居宅療養管理指導費Ⅰ・Ⅱ」に分かれる。*5 算定上限:算定の上限は月4回だが、それ以上の介入が必要と判断され介入を行った分については、医療保険の「訪問歯科衛生指導料」で請求する。在宅で介護認定を受けている患者さんへの指導や管理は「居宅療養管理指導」で請求歯科衛生士は単独訪問できるが、細かい規定がある歯科治療も行った場合は、居宅療養管理指導+医療保険を請求 患者さんが歯科へ訪問診療を依頼されるのは、口腔内や摂食嚥下機能に問題があるという理由が多いと思いますが、それらに対して歯科医師が義歯の調整やう蝕の治療などを行うと思います。 これは「医療保険」で請求します(表1オレンジ色部分)。一方で、義歯の清掃の仕方、う蝕予防を目的とした口腔ケアの方法の指導や、咀嚼機能に見合った食事の指導などを行った場合に、居宅療養管理指導の範囲となります。各歯科医療機関で介護保険と医療保険の同時請求を行う ケアマネは、通所介護費や訪問看護費など、介護保険を利用するすべてのサービスの給付管理の請求を担っています。しかし、1つだけ例外があり、それが「居宅療養管理指導費」です。ですから、歯科が在宅で行った居宅療養管理指導の請求は、医療保険と同じように歯科医院が行わなければなりません(図1)。義歯の調整やう蝕の治療などを行う場合も居宅療養管理指導に含まれる?在宅で介護認定を受けている患者さんでは、行った対応により「介護保険」と「医療保険」を同時請求することもあるすべての保険請求は、各歯科医療機関で行う川﨑恵美 ケアマネジャー/歯科衛生士図1 在宅介護・診療にかかる保険請求ケアマネ歯科医療機関●居宅療養管理指導費を除く介護保険を利用するすべてのサービスの給付居宅療養管理指導費にはノータッチ●居宅療養管理指導費●医療保険による診療報酬医療保険も介護保険もすべて医院で請求する士の訪問は月4回まで算定できます*5。単独訪問も可能です。 歯科衛生士の居宅療養管理指導では、ケアマネへの情報提供の決まりはありません。しかし、スクリーニングやアセスメント、モニタリングの結果をケアマネと情報共有することは、患者さんの療養生活にとって重要であり有益ですので、できるだけ行っていただきたいと思います。生活保護を受けているかどうか 在宅歯科訪問診療では、4月号でご紹介した医療職・介護職以外の専門職とかかわることもとても多いです。なかでも意思決定や支払いに関する人たちは、トラブル回避のためにお金のトラブルを回避するために、確認しておきたいことも非常に重要です。 本人やご家族以外が費用を支払うケースの1つは、「生活保護制度」*6を利用している場合です。診療所でも生活保護制度を利用する患者さんはいますが、その場合は患者さん自川﨑恵美 ケアマネジャー/歯科衛生士63歯科衛生士 July 2018 vol.42

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