歯科衛生士 2018年8月
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関係とじ込み&DL付録高齢患者さん向けよく噛んで食べることの大切さが伝わるシート今回ご紹介した調査結果のグラフを、とじ込み付録にまとめました。高齢患者さんの歯科治療へのモチベーションアップに、見せながらご活用いただけます。小社ウェブサイトからはPDF版がダウンロードできます。肉・魚・野菜をバランスよく食べるために、よく噛めるお口をつくりましょう。特集2 55ページより   ﹇監修﹈岩佐康行﹇イラスト﹈ ひらたともみとじ込みDL付録本シートを切り離す、またはPDF版をプリントして、高齢患者さんの歯科治療へのモチベーションアップにご活用ください。使い方&高齢患者さん向け よく噛んで食べることの大切さが伝わるシート歯科衛生士2018年8月号とじ込み付録 ©クインテッセンス出版㈱よく噛めないことで、食事や栄養のバランスが崩れます。すると、生活習慣病になったり、栄養が不足したりして、寝たきりになりやすいのです。いつまでも元気でいるために、肉・魚・野菜をバランスよく食べるようにしましょう。元気で長生きのコツは“よく噛んで食べる”です!監修 岩佐康行 原土井病院歯科/摂食・栄養支援部 部長栄養バランスが乱れると、寝たきりになりやすいです。よく噛めないとバランスよく食べられません。 このグラフは、毎日の生活をどのくらい自分一人の力で過ごせるかという「自立度」と年齢の関係を表しています。 青色の線は、長期間寝たきりの人を表しています。70歳前後で、ガクッと自立度が下がっています。この理由の多くは、生活習慣病です。生活習慣病にはメタボリックシンドローム(メタボ)が関連していますが、メタボの原因のひとつによく噛めないことが挙げられています。 ピンク色の線は、だんだん他の人の手を借りないと生活ができなくなっていく人を表しています。75歳より後になると、どんどん増えていきます。この理由のひとつに、栄養不足があります。よく噛めなくて必要な栄養素を摂ることができなくなるからだと考えられています。歯の本数と栄養摂取量の関係年齢と「自立度」の関係歯の本数と炭水化物摂取量の関係 これは、日本歯科医師会に入っている歯医者さん約2万人のデータです。お口にある歯の本数と摂れた栄養素の量の関係を表しています。 歯の本数が減るにつれて、主に野菜に含まれるカロテンやビタミンCなどを摂れなくなっていることがわかります。逆に、お米やパンなどの炭水化物を多く摂るようになることがわかります。詳しくは、歯科衛生士へおたずねください!0自立度38789歳~8486歳~8183歳~7880歳~7577歳~7274歳~6971歳~6668歳~6365歳~12ずっと自分で生活できる人だんだん他の人の手が必要になる人長期間寝たきりの人摂取量25~28本20~24本10~19本歯の本数1~9本0本120100900110(%)タンパク質脂質カルシウムビタミンCカロテン食物繊維摂取量25~28本20~24本歯の本数10~19本1~9本0本100900(%)(男性のデータをもとに作成)pⅠ_DH08_Furoku1_CC2014.indd 1H30/07/06 11:32SPEAKER’S ARTICLEDH第 ホール210/7(SUN)午前第8回 日本国際歯科大会2018皆さんはチェアサイドで、左のマンガのような会話をしたことはありませんか? 当院の病棟でもよく聞かれるやりとりです。筆者が入院患者さんの食事のようすを観察しに行くと、診療室では「使ってみます」と言っていた患者さんが、実際には義歯を使用していないことがあります。おそらく、皆さんが診ている患者さんの中にも、同じような方がいらっしゃるのではないでしょうか。義歯は慣れるまでに個人差もありますし、新しい感覚に慣れていただくまでにはわずらわしさがあるかもしれません。しかし、義歯を装着せずに咀嚼機能を失ったままでいることは患者さんの健康に悪影響をもたらします。義歯を作ったあとも、実際に使って食べていただくよう、われわれ歯科医療従事者は務めなければなりません。今回は、義歯の使用がおっくうな患者さんに、「義歯を使わずに食事していると、どうなるか」ということを知っていただき、義歯を使おうという動機づけができるような話題について解説します。岩佐康行Yasuyuki IWASA原土井病院歯科/摂食・栄養支援部部長歯科医師illustrator:ひらたともみ日々、要介護高齢者の食支援を通じて、栄養の重要性を実感しています。55歯科衛生士 August 2018 vol.42

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