歯科衛生士 2018年8月
5/8

指導は患者さん+患者さんを支える人に みなさんは、日々歯科医院での口腔衛生管理で、歯や歯肉などの歯周組織、補綴物とにらめっこしていると思います。そして、さまざまなライフステージの患者さんに適したプラークコントロール向上などのための歯科保健指導を模索していますよね。 診療室に来院される患者さんのように、セルフケアが可能な場合は患者さん本人への口腔衛生指導のみで完了します。しかし、患者さんの日常生活動作(ADL)が低下している場合は、洗面所に行けず、口腔清掃器具を取りに行けないことなどがあります。このような場合は、介護者や他職種など他者にブラッシングのための準備(口腔清掃器具の準備と片付歯科衛生士自らケアを行うだけでなく、日常のケアもマネジメントする患者さんの状況、置かれている環境を把握し、適切なケアの方法を考えていくのも私たちの仕事です。A徹底的に口腔内をきれいにするのが歯科衛生士のすべきことですよね?Q14口腔衛生管理のポイント口腔衛生管理の指導は個人因子(患者本人のセルフケアなど)と環境因子(介護者への指導など)に分ける指導や提案で補えない部分を歯科衛生士の専門的な口腔ケアでフォローアップするまず口腔内外の観察をしたうえで評価し、歯科衛生ケアプランを立て、介入していくけなど)、ブラッシング介助をしてもらう提案をする必要があるのです。そのため、訪問診療では、口腔衛生管理の指導は二分化する必要があると筆者は考えています。 一つは、患者さん自身が行うブラッシングや含嗽のセルフケアなど、「個人因子に関連するもの」に対しての指導。もうひとつは患者さん自身では磨き足りない不足部分を補うために他者が行うブラッシング方法の確立、その頻度など「環境因子に関連するもの」に対しての整備、または提案です。口腔衛生管理の流れって? このように、訪問診療での口腔衛生管理は、「セルフケアにおける口腔衛生指導」と「他者が行う口腔ケアの手技や質の均てん化の提案」を行うことにより日常での口腔衛生状態のマネジメントを行います。また、補えない部分は歯科衛生士が行う専門的な口腔ケアでフォローアップしていきます。 そのためには、図1に示すように、歯科衛生ケアプロセスにのっとり、アセスメント、歯科衛生診断をしたうえでケア計画を立案し、それぞれ指導や提案、専門的ケアを行っていく必要があります。次ページから、それぞれ具体的にどのように行っていくかをお伝えしていきます。図1 歯科訪問診療における口腔衛生管理アセスメント口腔内外の観察検査・測定医療面接歯科衛生診断環境因子は?(他者のセルフケア介入状況)個人因子は?(セルフケア能力)計画立案指導指導・提案のフォローアップ(粘膜ケア、ブラッシング、うがいなど)歯科衛生士の専門的口腔ケア提案10月号で紹介11月号で紹介今月はココ歯科衛生士 August 2018 vol.4270

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る