歯科衛生士 2018年9月
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使い方 口腔乾燥症は、唾液分泌量の低下によって生じることが多く、乾燥感、粘つき、ピリピリ感、嚥下困難感など、さまざまな症状をともないます。そんなつらい口腔乾燥症状を緩和する方法の1つに、口腔保湿剤の使用が挙げられます。 口腔保湿剤の開発は目覚ましく、さまざまな商品が市販されています。それぞれの特徴を理解したうえで、患者さんに合わせて適切な口腔保湿剤を選択し、正しい使い方を指導することが大切です。また、施設や在宅で生活されている方の場合は、ご本人への指導の他、他職種やご家族への指導も必要となります。しかし、残念ながら適切な口腔保湿剤が選択されていなかったり、そもそも使用方法が間違っていたりするケースも見受けられます。 そこで本稿では、口腔保湿剤の選び方と使い方、さらには口腔乾燥症患者の歯科診療にあたっての配慮事項などについて概説します。井上 誠Makoto INOUE新潟大学大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション学分野歯科医師伊藤加代子Kayoko ITO新潟大学医歯学総合病院口腔リハビリテーション科歯科医師Illustrator:石山綾子乾燥した口腔粘膜に、ジェル状の口腔保湿剤をそのまま塗布している詳しくはP.53参照患者さんの味の好みだけで口腔保湿剤を選んでいる詳しくはP.46~51参照患者さん全員に同じ口腔保湿剤を勧めている詳しくはP.46~51参照45歯科衛生士 September 2018 vol.42

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