歯科衛生士 2018年9月
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顔色の悪化などがみられたら、バイタル測定 口腔ケアの最中に、いつもと顔色が違うなど、患者さんの変化に気がついたら、無理に続けずいったん中止します。患者さんに声をかけ、バイタル測定を行う等の対応をとります(表1)。患者さんに疲労が見られる場合は、無理のない程度で終えるようにしましょう。姿勢が崩れてしまったら、安定した姿勢に整える 姿勢が崩れたまま口腔ケアを行うことは危険です。患者さんが苦しいだけでなく、誤嚥させてしまう可能性もあります。姿勢が崩れてしまったら、「これぐらい大丈夫」と面倒がらずに、しっかり元の安定した姿勢に整えてから、口腔ケアを再開するようにしましょう(図1)。患者さんに変化がみられたら、いったん手を止め、状態を確認する患者さんの顔色に変化がみられたら、口腔ケアを中止してバイタル測定などを行う患者さんに疲労がみられる場合は、無理をさせない姿勢が崩れてしまったら、安定した姿勢に整えてから口腔ケアを再開する十時久子 歯科衛生士図1 姿勢の崩れと対応方法顎が上がっている場合●車いす:顎が上がらないように頭部を支えながら行う。●ベッド:枕の下にタオルを入れる等して、顎が引けるように調整する。体が傾いてしまった場合●クッション等を使用し、姿勢を整える。表1 患者の顔色の変化と好ましい対応顔色考えられる原因対応方法赤い発熱、熱中症体温測定。熱がある場合はクーリングを行う。興奮バイタル測定。興奮(不穏)の原因を探り、無理強いはしない。青白い貧血●車いす:可能であればベッドへ移乗する。●ベッド:ギャッチをゆっくり下げる。寒気バイタル測定。掛け物などを調整する。無理はさせない。些細なことをおろそかにしない 3月号でも述べましたが、患者さんのお宅では、何か借りる場合でも、必ず了承を得るようにします。患者さん、ご家族が違えば、お考えもそれぞれ違います。「他のお宅では大丈夫だったから」と、断りなしに行ってしまった行動がトラブルのもとになることもあります。些細なことでも、必ず患者さんとご家族に了承を得るようにしてください。特に金銭授受に注意を払う トラブルといえば、お金にまつわるトラブルを耳にすることがあります。訪問診療では、訪問時にお会計の精算をしますが、患者さんがお財布やお金を見てあらぬ誤解をされる場合があります。 ある医院の方からは、スタッフがお預かりした会計金額を計算しているのを見て、患者さんが「この人はお金を盗んでいる」と思い込んでしまい、不穏な状態になってしまったことがあると聞きました。 患者さんを不安にさせないためにも、お金のやりとりには十分な配慮が必要です。行動の一つひとつに了承を得る訪問のお作法十時久子 歯科衛生士※写真は本人の承諾を得て掲載61歯科衛生士 September 2018 vol.42

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