歯科衛生士 2018年9月
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いざ物事を調べようとしたときに私たちの身の回りにはさまざまな媒体があります。各媒体にはどのような特徴があるか、見てみましょう。 ろう? これらに収載されている情報は10年ほど過去のものだといわれていますが、基本知識の再確認や必要な情報の概要を復習するのに使えます。しかしながら、教科書や参考書は限られたページ内での内容詳細であり、情報は不足しているので、これだけでエビデンスを明確にすることは期待できません。教科書・参考書4 今や私たちにとって必要不可欠な存在のインターネット。検索するときにもっとも使われているツールです。インターネット検索は、情報を収集するツールとしては便利である一方で、洪水のように押し寄せてくる情報のなかには、「誰でも発信できる」という点から、信憑性のないものも多く含まれています。インターネット7 ガイドラインとは、歯科臨床に関する最新情報を専門家の手でわかりやすくまとめた「指針」です。医療従事者間あるいは医療従事者と患者間で適切な診断と治療を検討できるように作成されたものです。必ずエビデンスが紹介されているので、臨床の基準を確認するのに適しています。ガイドライン5オススメ! 一般的に医学論文といえば、「原著論文」を指します。原著論文とは、自分の研究に関連する独自の結論を記述したものです。その他にも一つの症例を研究した「症例報告」や、あるトピックに関連した複数の論文から、経緯や背景、現状の分析や問題点、さらにこれからの課題をまとめた「総説」などがあります。 「原著論文」や「総説」は、査読を通っているため、一般的に内容の信頼性が高いといえます。査読とは、研究者や同じ分野の専門家による評価のことで、投稿した論文が学術雑誌に掲載されるに値するかを審査することです。つまり、複数の研究者が1本の論文の検証を行うので、査読を通過した論文はある程度信用されるに値するということになります。 また、エビデンス探しのビギナーにとって、「総説」から読み始めるのは、効率よく論文を読むトレーニングにピッタリです。医学論文6オススメ!薄井由枝 歯科衛生士79歯科衛生士 September 2018 vol.42その根拠は、なんだろう?情報見極め術“伝える人”のための

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