歯科衛生士 2018年11月
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メインテナンスを目的に定期通院してもらうことが重要であるのは周知の事実ですが、実際にはなかなか難しいもの。より多くの患者さんに口腔への関心をもってもらったり、健康への意識を高めてもらったりするには、できるだけ多くの引き出しを持っておくことが大切です。そこで今回は、その1つとして、スポーツにかかわる患者さんに対し歯科衛生士として持っておきたい知識と、効果的なアプローチをご紹介いただきます。 (編集部)まずは、スポーツをされている患者さんの口腔衛生状態を知り、それをふまえた歯科保健指導のコツについて知りましょう。スポーツをする患者さんへの歯科保健指導 する指導白水雅子Masako SHIRAMIZU佐藤歯科クリニック[兵庫県]歯科衛生士日本スポーツ歯科医学会認定スポーツデンタルハイジニスト田中佑人Yuto TANAKA大阪歯科大学附属病院障がい者歯科・歯科医師日本スポーツ歯科医学会認定医日本スポーツ協会公認スポーツデンティスト石橋 淳Jun ISHIBASHIいしばし歯科クリニック[京都府]院長・歯科医師日本スポーツ歯科医学会認定医日本スポーツ協会公認スポーツデンティストIllustration:日の友太 読者の皆様は、スポーツ選手の口腔内の状態について聞かれたとき、どのように答えるでしょうか。スポーツ選手の口腔衛生状態がそうでない人と比較して悪いということはなんとなく予想できるかもしれませんが、実際はどうなのか、自信をもって答えられる人はそう多くはないように思います。口腔衛生状態は悪い傾向にある イギリスの複数のプロサッカーチームの選手187名を対象に、口腔衛生状態を調べ、イギリスの一般成人に同様の調査を行った結果と比較したデータがあります2)。結果、サッカー選手のう蝕の有病率は、イギリスの一般成人が31%であるのに対し53%と大きく上回っていたことがわかりました。スポーツをしている人の口腔内の状態は?田中佑人大阪歯科大学附属病院歯科医師133歯科衛生士 November 2018 vol.42

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