歯科衛生士 2018年11月
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「毎日使い続けられる清掃器具か」がポイント はじめに、診療室と同じように、使用している清掃器具が今現在の患者さんの口腔内に適している物かどうかを確認します。それにくわえ、毎日のことなので、「ケアする方が操作しやすいものかどうか」が重要です。実際に磨いてもらい、使用しやすい清掃器具を見極めて、ケアを行ってくださるご家族などが使いやすいものを選びましょう。使用が難しい場合、代わりの提案をしなければなりません。たとえば「歯間ブラシを使うのが難しい」という場合、毛先が歯間ブラシに入りこみやすい1本ブラシを提案するなど、ベストでなくても無理なく使える代わりのものを選択する必要があるのです。患者さんの口腔内状況に適した &介護者が使用しやすい清掃器具をそろえる使用する清掃器具は絞る! また、なかにはすでにたくさんの清掃器具が置いてある場合もあります。用途の同じ清掃器具が複数ある場合が多いです。介護者の負担を減らすため、患者さんの口腔内に最適なもので、なるべく少ない清掃器具で口腔ケアを行えるように、私たちが整理することが必要です(図2)。 筆者は、1つの用具で清掃効果が大きいもの、使い続けてもらうためにも、なるべく安価なものを選んでいます。 今は用途に合わせていろいろな種類の清掃器具が販売され、ドラッグストアに行けば、歯ブラシ以外のものでも手に入れやすい環境です。しかし、患者さんの口腔状況に適した太さの歯間ブラシを選べていなかったり、使い方をわからずに清掃器具を使用している方も多くいらっしゃいます。診療室での指導と同じように、実際の患者さんの口腔ケアを行う際には、使用法などを説明しながら行うようにしましょう。ることもわかっていました。それを後ろめたく感じているところに、毎回、磨き残しを指摘され続けるのはつらかったそうです。「患者さんのため」と思って、あれもこれもと指導していたことが、ご家族を追い詰めていたのです。口腔内だけでなく“生活”をみよう 十時久子 患者さんをはじめ、ご家族やケアにかかわる他職種は口腔ケアだけを行っているわけではありません。特に在宅介護になられたばかりの患者さんの場合、ケアスタッフやリハビリスタッフの介入があったり、介護生活に戸惑っているご家族も多くいらっしゃいます。 口腔ケアは一生続きます。ダメ出しばかりでは、うんざりしてしまい、今まで行っていた口腔ケアさえ止めてしまう方もいるかもしれません。私たちが介入するのは、介護者が日常的に口腔ケアが行えるようにマネジメントしていくためなのです。では、次から実際の提案の仕方をみていきましょう。十時久子 歯科衛生士図2 口腔ケアグッズの整理薦められたものを買い揃えるうちに本数が増えていったようだったが、使用頻度が高く、患者の口腔内に適しているものを選んだ。ケアの手が増えることで、清掃器具が増えていくことが多い。清掃器具の確認清掃器具が患者さんの口腔内に適しているか使用者が操作しやすい清掃器具か必要以上に多くの清掃器具が溢れていないか使用法のわからない清掃器具はないか51歯科衛生士 November 2018 vol.42

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